「明日は学校に行く」と言ったのに朝起きてこない 不登校の専門家が「それでも子どもを責めないで」と親に伝えたい理由
不登校の子どもから「明日は学校に行く」と言われて、ついつい期待しすぎてしまう親。しかし翌朝、やはりいつも通り起きてこない子ども――。期待していただけに、ガッカリ感も増してしまいますよね。長年にわたって不登校の子どもやその親を支援してきた西野 博之さんは、「くれぐれも責めないで」と言います。その理由は何でしょうか? 西野さんの著書『マンガでわかる!学校に行かない子どもが見ている世界』(KADOKAWA)からお届けします。 【マンガ】「不登校あるある」親から見た世界・子どもから見た世界(全31枚) ■「明日は行く」っていったのに、朝起きてこないのはなぜ? 子どもから「明日は行くから」といわれて舞い上がる親、でも翌朝起きてこない……。噓をつかれたことに腹も立ちますし、学校に行くと思っていた分だけ失望も深いですね。 まず伝えておきたいのは、子どもは決して噓をつくつもりではなかった、ということです。「明日行く」といった気持ちに噓はありません。そのときは本当に行こうと思っていたのです。本人も行けなかった自分に腹を立て、「私はなんてダメなんだ」と責めていることでしょう。そこで親から「噓つき!」とののしられたら……子どもは傷つきますよね。 そもそもいったことを行動に移すのは、大人であっても難しいものです。「明日からダイエットする」「明日から禁煙する」と宣言して、100%実行できる人はどれだけいるでしょうか。子どもが行くつもりだったのに体が動かなかったとしたら、「今じゃない」という体の声なのだと受け止めてあげてください。くれぐれも責めないでくださいね。 では実際に子どもが学校に行ったときはどんなふうにしたらいいでしょうか。 お母さんは「行かなくていいんだよ」といいつつ、「行ってほしい」という気持ちがダダ漏れてしまいます。私はこれを「毛穴でるでる」と呼んでいます。うれしさのあまり、お赤飯を炊いちゃったという人もいます。ふだん子どもに「無理して学校に行かなくたっていいよ」といっていたとしても、「本音では親は行ってほしかったんだ」とすぐに伝わってしまいます。