八重樫の世界戦で途中採点発表間違いの大チョンボ
ボクシングの前WBC世界フライ級王者、八重樫東(31歳、大橋)と、ペドロ・ゲバラ(25歳、メキシコ)の間で争われたWBC世界ライトフライ級王座決定戦(30日・東京体育館)で、4ラウンド終了後に発表される途中採点をJBC(日本ボクシングコミッション)が一度は、間違って発表するという不手際があった。これには八重樫が所属する大橋秀行会長も「試合を左右する許されない間違い」と大激怒した。 WBCでは、4ラウンド、8ラウンドの終了時点で、そこまでのジャッジの途中採点が場内にアナウンスされ公表される。この日の世界戦でも、4ラウンド終了後のインターバル中に、「38対38が1者」「39対37が2者、この2者は、八重樫選手を支持しております」と一度は発表された。だが、5ラウンド終了後に、再び場内アナウンスが行われ、「先ほど、38対38が1者、39対37が2者で、この2者は八重樫選手を支持しておりますと伝えましたが、2者はゲバラ選手を支持しています」と訂正されたのだ。勝っている試合が負けている試合になって、八重樫ファンで埋まる場内からは、「えーー」という大きな失望の声が広がった。 結局、八重樫は、7ラウンドにゲバラのメキシコ式の左のレバーブローに沈み、3階級制覇を狙ったタイトルに手が届くことができなかった。途中採点がモノを言う判定決着ではなかったが、JBCの“大チョンボ”には大橋会長も納得はいかない。 「こちらは、途中採点の結果を見ながら作戦を組み立てていくんだ。『よしよし、今のペースでポイントを取れるならば』と考えて5ラウンドに入った。それが逆だったとなると、こちらの作戦も変わってくる。途中採点は、それほど大事なものだ。それをしっかりと確認もせずに間違った発表をして、その次のラウンドで『逆でした』と訂正するなんてことはあり得ない。断固抗議したい」 ボクシングのジャッジは、リングの3方向に座った3人のジャッジが、毎ラウンド採点を行い、それをインターバル毎に、レフェリーが集めて、本部席に届け、本部席で集計していく。その集計作業を世界戦を統括するローカルコミッションであるJBCが確認。その上でJBCの職員が場内マイクを使って途中採点を読み上げることなっている。その集計作業は、1分間という短期間で行わねばならないため、今回は、勝っている方と負けている方を取り違えるというケアレスミスが発生、発表後、再度、確認作業をしている間に、そのミスに気がついてあわてて訂正したようだ。