”庶民の焼き肉”は風前の灯?! 焼肉店の倒産が過去最多に ”ごまかしがきかない” 円安が直撃する「焼肉店ならでは」の事情
素材そのものを提供する焼肉店は、原材料価格の高騰が経営に即、影響を及ぼします。 ■つけっぱなしの排気ダクト 電気代は2倍に さらに肉を焼くためのガス代や、排気ダクト、クーラーの電気代など、焼肉店ならではの特徴も経営を圧迫します。 焼肉ホルモンひろ屋 中村竜博 社長 「お客さんがいる間はつけっぱなしになるので、去年と比べるとガス代が1割くらいあがって、電代は2倍です。ダクトをまわす電気もかなりの量使うので、焼肉屋は不利だなと思います。」 ■コロナ禍で出店増→競争激化 テーブルごとに排気ダクトが備えられている焼肉店は、「換気がいい」というイメージでコロナ禍に新規出店が相次ぎました。 他の飲食店に比べ客単価が高く、店内のオペレーションも比較的簡単なことから、焼肉人気に着目した居酒屋やラーメンチェーンなど異業種からの参入もあり、競争が激化。 コロナ禍で「勝ち組」だった焼肉店ですが、物価高騰による経営環境の悪化で、小規模な焼肉店が倒産するケースが増えています。 ■倒産 年間50件超の可能性も 帝国データバンクによりますと、今年1月から先月末までに負債1000万円以上で倒産した焼肉店は39件。 前年同時期の16件から倍増し、過去最多を更新しました。 このままのペースでいくと、年間の倒産数が、初めて50件超える可能性もあるということです。 帝国データバンク 情報統括部 飯島大介 副係長 「原材料価格の高騰、輸入牛肉に加えて野菜、ライス、米ですね、全ての原材料が高騰している、これが一番の要因になっています。」 ■客離れ警戒で「値上げしづらい」 客単価が高い焼肉店は、節約志向での客離れを警戒して値上げがしづらく、大幅な価格転嫁ができないということです。 そのため、大量仕入れなどが可能な大手焼肉チェーン店とのコスト競争に耐え切れない中小の焼肉店が苦戦しています。 福岡県内でも今年に入ってからこれまでに少なくとも8店舗が閉店していて、小規模店の廃業を含めると、実際はより多くの焼肉店が市場から消えたとみられています。
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