中国のブラジル直接投資残高が7年ぶり低水準、2023年シェア4.28%
Marcela Ayres [ブラジリア 28日 ロイター] - ブラジル中央銀行が今週発表した2023年の対内直接投資残高(FDIストック)によると、最大貿易相手国の中国からの投資残高が449億ドルにとどまり、全体に占めるシェアは4.28%に落ち込んだ。16年のシェア2.87%以来、7年ぶりの低水準となった。 国別順位では、前年の5位から7位に後退した。16年の順位は12位だった。 中国はブラジルから農産物を大量に買い付け、鉱山資源やエネルギー資源の主要な輸入元。しかし、中国企業の直接投資は、長年の事業実績がある米国や欧州の企業よりも依然見劣りすることが浮き彫りになった。 一方、23年の米国は前年比56%増の3578億ドルに急増し、シェアは過去最高の34%に拡大した。金融や保険、関連サービス事業への直接投資の増加がけん引した。 民間のコンサルタントによると、中国の習近平国家主席が最近、ブラジルを訪問してルラ大統領とインフラやエネルギー、農業分野で協力関係を深めることで合意したことから、今後数年間のうちに直接投資残高の国別順位が上昇する可能性がある。一方で米国ではトランプ次期政権が国内雇用促進を重視しており、その影響でブラジル向け投資は減る恐れがあるという。