「僕、まだ24歳ぐらいの気持ちでいるんですよ」俳優・寛一郎が名字を冠しない理由
「小学校2、3年のときかな?学習塾の課外行事でアイヌの集落に泊まりに行く機会があり、2週間ほど滞在しました。そこでアイヌというものを認識し、約20年を経てこの企画のオファーをいただいた。 【写真】寛一郎の“肉体美”が垣間見える映画『シサム』 これも縁だと思ったし、アイヌについてより深く知りたかったので“ぜひ、やらせてください”とお返事しました」 と話すのは、9月13日公開の映画『シサム』に主演している寛一郎。自然と調和し、共存しているアイヌの暮らしは東京生まれ、東京育ちの都会っ子の印象に残ったという。
垣間見える“肉体美”は撮影地で
江戸時代前期。蝦夷地と呼ばれた現在の北海道を領有したのは松前藩。主たる収入はアイヌとの交易品で、藩士の息子・高坂孝二郎(寛一郎)は兄(三浦貴大)とともにその仕事に従事。 しかし兄は使用人・善助(和田正人)に殺害される。敵討ちすべく、善助を追うと……。 「冒頭とラストでは孝二郎を全然違うように見せたかった。最初は細々しく、ナヨッとした姿勢の悪い感じ。だけど後半に向けてがっちりと大きく見せることは意識しました」 撮影は北海道の白糠(しらぬか)町で1か月強。現地で、筋トレ用のダンベルとベンチプレスをネットオーダーしたという。 「到着にはちょっと時間がかかったんですけど。僕の部屋で、共演者のみんなで筋トレしていましたね」 いくつかのシーンで垣間見える肉体美には目を見張る。食事制限は特にしなかったよう。 「町の人もすごく協力的で、いい経験でした。その分、僕らは毎日外で飲み食いして、たくさんのお金を赤字になりながら落としていました(笑)。 大きな町ではないので店舗は限られていて。居酒屋さん、焼き肉屋さん、洋食屋さん?行けば絶対、スタッフや演者の誰かがいて。結局、みんなで飲んで(笑)」 その際にはアイヌ料理も? 「劇中ではカジカ汁を食べました。命をいただく感覚だけでなく、決められた役割のもとに部位が与えられる儀式のような意味合いもあって。おいしかったですよ。町では焼き肉が多かったかな」