NAMCO香港、啓徳の新モールに新店舗 香港で積極的な出店攻勢
香港でアミューズメント施設運営を行うNAMCO ENTERPRISES ASIAが12月14日、啓徳に開業したショッピングモール「啓徳零售館(Kai Tak Sports Park Mall)」に新店舗「namco」(Kai Tak Retail Pavilion, Mall 2. 3/F, no.305 and 306)を開業した。香港では14店舗目となる。(香港経済新聞) 【写真】「ちぃかわ」クレーンマシンなど、注目のゲーム機に人が集まる NAMCOでは従来のゲーム機を集めた店舗だけでなく、スポーツやデジタル要素を取り込んだ「SPORTAINMENT」と呼ぶ施設なども香港市場に導入している。今回入居するモールは全体がスポーツを打ち出すものの、同店は「Namco香港の総合的な店」とした。Namco Enterprises Asiaの為藤嘉英董事は「これだけのスペースを使える香港のエリアは他にない。大きな公園、ボーリング場なども充実し、外で遊ぶことができる場所は香港では珍しい。啓徳は香港でエンターテインメントの象徴的なエリアになっていくと捉えている。バンダイナムコグループの認知度を高めていける場所と考え、香港で初めてとなる商品ものを多く取りそろえた店として出店した」と話す。「最初は総合的なものを見せ、このエリアの開発で進化させていく」と続ける。 店内の目立つ場所に香港新登場の「ちいかわ」景品機を設置した。人気の小悪魔やパジャマコスチュームのキャラクターに加え、クリスマス特別仕様など最新のものをそろえた。日本の「推し活」から着想を得た「痛ポーチ」特典も同店限定のキャンペーンとして展開する。「香港のお客さまは流行に敏感で、日本と同時でないと満足してくれない。」と為藤さんは言い、「コロナ禍に動画配信サービスをさらに利用してコンテンツにさらに詳しくなり、コロナ禍後は旅行の頻度が増えたことで、よりリアルタイムでの発信が必要になった。日本と同時に、日本ではやっているものを提供したい」と意気込む。 香港では、日本とライセンスが異なる部分もあり、景品ゲームの上限金額は5香港ドルに設定されている。「5香港ドルの中で楽しんでもらえるエンターテインメントを続けるために、香港の法律にのっとり、健全にアミューズメントが発展していくためのリーダーの会社と意識している」と話す。市民に近い存在であるために、香港では一般的なトークンを投げて虹色の中に入れる「レインボー」を全店舗にも導入するなどして、小さな子どもでも楽しめ、香港人にとってなじみのあるものは欠かさないというローカル重視の姿勢も忘れない。 同社の香港進出は1977年、もともと直営での進出で、47年前に業務を始めたことで、香港にはノウハウ、人脈がある。「日本側のIPを持つ版元から香港への提供許可の手続きをいかに早くするか」が重要で、「香港の日本の人気度はもともと分かっていたが、それがもっと深まっていると感じる」と続ける。「現在の店舗の売り上げは8割程度が景品関係」だといい、「景品が動けば発注も増え、より日本の版元側からも香港に注目も集まっている」と話す。今期、同社は香港市場においても過去最高売り上げを達成した。 新しい取り組みとしては、機器開発事業をスタートした。「ワニワニパニック」「太鼓の達人」、その他の日本のキャラクター使った機器をアジアのパートナーに提供していく。加えて、「景品機械の使い方、購入方法、日本式の景品の運営ができるパートナーを広げていく」という新規事業にも取り組んでいるという。 今後については、日本では既に展開しているガシャポンの店、カードゲーム販売の店などの拡大を検討している。「当社がIPを持つキャラクターのオフィシャルショップ、バンダイナムコグループのオフィシャルストアを作ってゲームセンターと併設するという複合型の店舗も実現に向けて動いている」とさまざまな種をまく。「香港はくじ引きができないので、それを香港式のもので出そうと考えている。他のゲームセンターではできず、うちでしかできないものを提供したい。直営なので香港の判断でいろいろなことができることが強み」と話す。 賃料の高い香港ではあるものの、「北上消費が続く香港市場だが、エンターテインメントは香港。施設は人を集めるためにも必要と考えるモールも多い」と指摘。引き続き声がかかるところを含め積極的に出店をしていきたいとする。同社は来年、銅鑼湾、元朗、大埔への出店を既に決めており、その後も毎年1店舗ペースでの新店舗出店を計画している。 営業時間 は11時~22時。
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