岩陰での着替え「恥ズカシイデス…」 世界自然遺産の島の絶景温泉が利用者の声に応えた 湯船で聞く波の音、ながめる星の体験がさらに気軽に 「平内海中温泉」脱衣所完成
鹿児島県屋久島町平内で古くから住民に親しまれ、観光客にも人気の「平内海中温泉」に、木造で男女別の脱衣所が完成した。海沿いの岩場の天然温泉で、これまで岩陰で着替えるしかなく、近年増加している外国人利用客らから「抵抗感がある」との声が寄せられていた。 【写真】干潮時のみ湯船が現れる海中温泉。波の音や満天の星を眺めながらの入浴は心身を癒やす
温泉は平内集落の管理。大工仕事に覚えのある住民有志が、約30万円かけて6月に完成させた。リニューアルに伴い、入浴料代わりの協力金も200円から300円に値上げした。西橋豊啓区長(76)は「集落最大の売り。屋久島の自然を体感できる場所で、気持ちよく利用して」と話す。 同温泉は400年以上前に岩の間から湧き出す湯が見つかり、当時の住民がのみで岩を削って現在の湯船の原型を造ったとされる。波の音を聞きながら、昼は海の景色、夜は星空を眺められる。
南日本新聞 | 鹿児島