「見えない(笑)」 笹生優花は一面真っ白な“予想外”のゴルフも楽しんで
◇米国女子◇ウォルマート NW アーカンソー選手権 presented by P&G 事前(25日)◇ピナクルCC (アーカンソー州)◇6438yd(パー71) 【画像】正念場の吉田優利 ゴルフも試合も「楽しむ」が笹生優花のモットー。それは、多少“想定外”のことが起こっても変わらない。水曜のプロアマは、10yd先もよく見えないほどの濃霧の中でティオフ。「見えない(笑)。まあ、なんとなく木と木の間を狙っていけばいいでしょ!」とウッドを気持ちよく振って元気に歩き出した。
霧の影響でスタートは1時間ほど遅れて午前9時過ぎになったが、ティオフした時点で視界は真っ白。大会は4度目の出場になるが、アーカンソーでこんな霧は初めてだった。「こんなに涼しいのも初めてで、朝は少し寒いくらい。ちょっと、想定外」。例年は30度を超える暑さなのに、日中でも25度前後の日が続いている。 コースコンディションも例年とは少し違うようで、ことしは枯れた芝が所々で目についた。「冬に天気が良くなかったみたいで、芝が無いところがいくつかある。グリーンも、いつもよりちょっと軟らかい」。毎年ロースコアが続出する3日間大会で、ことしも例年通りの伸ばし合いを予想した。
プロアマでコースの微妙な変化を感じ取りつつ、お客さんとの時間を楽しむことも忘れない。「どうやって飛ばすの?」「真っすぐ飛ばす方法は?」と続くアマチュアからの質問に、ひとつずつ丁寧に答えていく。「セットアップが変わるだけでスイングも変わるから、伝えるのは基本的なこと。こういう動きをしたら、こういう感じになるんだなって、自分の勉強にもなる」と濃霧の中で、目を凝らしながらレッスンに心を砕いた。
ゴルフの状態は「まあまあ、かな。安定はしていると思います」と話す。今季は5月「全米女子オープン」で2勝目を挙げ、その後に4度の予選落ちがあったものの、前週「クローガー・クイーンシティ選手権」は4位と結果を残した。アマチュアたちは、全米“トゥ・タイム”チャンピオンからのアドバイスに満足げに帰宅の途へ。「教えるのは得意…ではないと思いますけど、聞かれたらしっかり答えたいって思います」。おもてなしのスキルも最高だ。(アーカンソー州ロジャース/谷口愛純)