「苦手な人や嫌いな人」とあえてすべき1つのこと、同じお皿の料理をシェアするとさらに効果的
自分の友だちが他の人のために、いろいろとよいことをしているのを間近で目撃していれば、そのうちみなさん自身も、同じように善意に溢れた行動をとれるようになります。 私たちは、一緒に付き合っている人の影響をものすごく受けるものですから。友人と同じことを「自分もやってみよう」と知らぬ間に思うようになっていきます。 逆もしかりで、ワガママで、自己中心的な振る舞いしかしない友人と付き合っていると、やはり自分自身も自己中心的になってしまうでしょう。
ですから、そういう人とはできるだけ距離をとって、もっと親切な人とお付き合いするようにしたほうがいいのです。「友だち選び」はとても重要です。 昔の日本人は、とても親切でした。 「困ったときには、お互いさま」という思想が社会全体に共有されていたので、隣近所の人から、「お味噌を分けてくれ」「お醤油を貸してくれ」とお願いされればごく自然に貸してあげたものでした。 みかんを持っているとしたら、自分だけで全部食べようとするのではなく、他の人にも食べるように勧めました。たまたま電車やバスで隣り合っただけの人にも、「おひとつ、いかがですか?」と自分のみかんを半分に分けて申し出ていたものです。今でも、地方に出かけると、年配の人はそういうことを自然にやってくれます。
道端で座り込んでいる人がいたら、たとえ面識はなくとも、「大丈夫ですか?」とだれでも声をかけました。そういうことを当たり前のようにしていました。そういう場面を日常生活の中でも、ちょこちょこと目にしていましたから、「目撃者効果」が起きて、日本人全体が親切だったのです。 ところが時代は変わって、最近では、あまり親切な人を見かけなくなりました。これはまことに残念なことです。 「社会を変えよう」などと大きなことを申し上げるつもりはありませんが、せめて自分1人だけは親切なことをしましょう。そうしていれば、少なくともみなさんの周囲には、善意に溢れた人たちが増えるでしょう。