在籍13年でついに…サガン鳥栖の初のJ2降格が確定 ユース日本一も巨額負債が足かせに
◆明治安田J1リーグ第34節 京都2―0鳥栖(19日、サンガスタジアム by KYOCERA) 最下位に低迷するサガン鳥栖のJ2初降格が決まった。 ■無情…京都に敗れて目をタオルで押さえるサポーター【写真】 残留を争う前節17位の京都に敗れ、リーグ戦で12試合勝ちがなく勝ち点26のまま。前節15位の湘南が首位広島に勝ち、同16位の柏が3位の町田に引き分けて、勝ち点38から上積みしたため、残り4試合で鳥栖が17位以内に入る可能性がなくなった。 崖っぷちに立たされていた鳥栖は前半10分、エースのマルセロヒアンがカウンターから相手DFラインの裏へ抜け出すと、敵陣深くで京都GKク・ソンユンに倒されて直接FKを獲得。クが一発退場となり、数的優位に立った。だが、京都の攻撃に劣勢で、0―0で折り返した後半20分、相手GKからロングボールをつながれ、マルコ・トゥーリオのシュートが鳥栖のDFに当たって入る不運に泣いた。同44分にも追加点を許して力尽きた。 サガン鳥栖はジャパン・フットボール・リーグ(旧JFL)の鳥栖フューチャーズが経営難で解散したのを受け、1997年に誕生した。サガン鳥栖の「サガン」には年月をかけて砂粒が固まって形成される「砂岩」や、佐賀の方言で「佐賀の」という意味などが込められている。 当初は経営危機が続いていたが、2005年に運営会社「サガン・ドリームス」に営業権を譲渡されると、徐々に経営が安定。12年に初のJ1昇格を果たした。13シーズン連続でJ1に残留し続けたのは九州では最長。近年は育成組織の充実がめざましく、松岡大起(現福岡)や大畑歩夢(現浦和)、福井太智(現アウロカ)ら多数の有望な若手を輩出。22年には鳥栖U―18が高校年代日本一を決める「高円宮杯U-18プレミアリーグファイナル」で初優勝した。 一方、19年度決算で20億円超の赤字を抱えた影響で、今なお約1億6000万円の債務超過に陥り、選手編成にも影を落としていた。 6位以内を目標に掲げていた今季は伝統のハードワークが影を潜め、リーグワーストの65失点。8月に川井健太監督を解任、クラブOBでDF出身の木谷公亮氏を後任に置いたが、河原創(現川崎)ら主力が相次いで移籍し、戦力ダウンしたことも響いた。
西日本新聞社