「楽しみ方に終わりはない」ガレージハウスと旧車の関係|旧車の棲むガレージ
【ガレージハウスと旧車の関係】 旧車とは切っても切り離せないガレージの存在。長く同じクルマを所有しているオーナーの多くはガレージを所有し、それが維持の秘訣であるという人もいる。当編集部で唯一のビルトインガレージ所有者である編集部「栗」が自身の経験を交えてガレージを語る。 【画像9枚】ガレージハウスと旧車の関係。土地と予算があれば実現させたい理想的なガレージ。ガレージの理想は間違いなく鉄筋コンクリート建築。強度があるため、ガレージ空間に補強のための柱などが必要なく、クルマの出し入れが楽になる。また、ホコリ、音、匂いを防ぐことができる。欠点は価格と建築後数年の間、コンクリートから水分が出るため十分な換気が必要な点だ 旧車にとって必要なガレージ保管 クルマに興味のない人に対して旧車の魅力を語る場合、「これ以上古くならない」というのが効果的。たとえば68年式カローラが現行のプリウスに勝る点は1つもない。ただ、5年後のプリウスはとても古く、買い替えたいと感じるはず。対してカローラは5年後も10年後も古さにおける感じ方は同じ。 しかし、その5年、10年で朽ちてしまう可能性も捨てきれない。旧車のネガの部分はこれにつきる。 そんな旧車を長く、美しいままで乗り続けることへの近道は保管方法。旧車の天敵である雨、そして直射日光を避けることが何よりも必要だ。そう考えたときの結論がガレージ保管だ。 掲載されている旧車はどれも美しい。もちろん旧車ショップの高い技術によるものであるが、そのクルマの保管場所はガレージもしくは屋根付きの駐車場である場合がほとんど。そうでなければ、その美しさを維持し続けることは難しいのだ。
1985年ごろから塗装レベルが上がった国産車だが、80年代以前のクルマの維持にガレージは不可欠。
1985年頃から塗装のレベルが格段に上がり、青空駐車していてもヤレることが少なくなった国産車だが、本誌が対象とする80年以前のクルマはどうしても塗装が弱い。 雨はもちろん、できれば紫外線をさけ、ボディカラーが変わることも避けたい。さらにいうと所有車両がオープンである場合、青空駐車による劣化はクローズドの比ではない。 編集部「栗」のガレージハウスが完成したのは2005年。愛読書であった「ガレージライフ」に連載を持っていた建築家の山本健太郎さんのガレージハウス企画に申し込み、選ばれたことがきっかけだった。 当時の私の希望は「2台の所有車両を収められること」「コンクリート建築であること」「家族が増えることに対応できること」の3つだった。 前提がビルトインガレージだったため、2台収めるための敷地面積が足りず、諦めかけたが、建築家山本さんの再設計でなんとか無事に収まった。 旧車乗りの場合、多くが旧車だけで生活しているわけではない。サポートするもう一台が必要になる。それに旧車は旧車を呼び、いつの間にかクルマが増えていくこともよくある話だ。 クルマが趣味であるならばガレージスペースを可能な限り確保すること。それが難しいのであれば、庭先など家の敷地内に停められるスペースを確保することは絶対に必要だ。 私が希望したコンクリート建築も旧車趣味には必須だ。もちろん予算次第であるが、普通の住宅とは比較にならないほどガレージハウスの場合はコンクリート建築にメリットがある。 一番の理由は内寸。外側の大きさが同じでも内側の広さは変わってくる。木造や鉄骨の場合は補強が必要で、それが内部に余計な突起を作る。クルマを2台並べたガレージを作る場合には、クルマ同士の間に柱が必要となる場合も多い。だが鉄筋コンクリート建築の場合は突起や補強の柱が必要ないため、内部のスペースが広くなる。駐車するときの障害物もなく、意外に多いガレージ内事故も少なくなる。 さらには防音、防臭効果が高く、ホコリが発生しにくいなど利点が多い。