子どものいない専業主婦妻の生きがいだった…愛犬に月10万円使う妻に愛想をつかした夫が残した置手紙の中身
■妻は愛犬の費用と生活費で31万円を要求 調停委員はA子さんに別居中の生活費(婚姻費用)について説明をしました。婚姻費用は夫婦の収入と子どもの人数で決まります。夫の年収は1000万円で、子どもはいません。この場合、婚姻費用は月16万円で、夫は適正額を払っているというのです。 A子さんは、「うちには○○ちゃんがいるから子どもがいるのと同じです」と主張しました。調停委員は、「法律上はそういう扱いにならない」と言いましたが、A子さんは譲りません。そのため調停委員は、「それでは参考として犬にかかるお金を一覧にしてほしい」と言いました。 その次の期日、A子さんは自分で作った表を持参しました。 トリミング、ドッグラン、定期健診、ワクチン、フード、おやつ、おもちゃ、サプリ、それにブランド物の服、ハーネス、犬用のベッドや食器などのペット用品……。飼い主友達との毎週のランチ代や旅行代も含めて、ペットの費用として総額で毎月10万円から15万円かかるため、これを毎月支払ってほしいと主張しました。さらに、自分がどれだけペットを大切に思っているかについて書いた書面も、たくさんの愛犬の写真とともに提出しました。 夫はその表を見て、フード代などとして月2万円ほどであれば上乗せすると提案してきましたが、A子さんは譲ることなく、計31万円の支払いを求め続けました。 ■適正額に2万円上乗せでやむなく合意 調停の場合、双方が合意に至らないと、裁判官が審判を下します。その前に裁判官が、当事者に対し、審判になった場合の方向性を説明するのですが、裁判官はA子さんに、「審判になったら、これらの費用は一切考慮されません」と言いました。 A子さんはどうしても納得できませんでしたが、審判になるとフード代すらもらえなくなるということなので、やむなく2万円の上乗せで合意をしました。 離婚についてはすぐに進めず、当面別居を続けることになったものの、A子さんは今までのように贅沢にお金を使うことはできなくなり、もらったお金の範囲内で愛犬と生活をすることになりました。