ホンダ最終益は過去最高の1・1兆円、HV販売好調 配当増など株主還元を強化
ホンダは10日、令和6年3月期連結決算を発表し、本業のもうけを示す営業利益が前期比77%増の1兆3819億円、最終利益が70%増の1兆1071億円となり、ともに過去最高を更新した。好業績を受け、5年度の年間配当額を前年度比28円増の68円とした。 売上高は20・8%増の20兆4288億円。ガソリン車並みに収益性を高めたハイブリッド(HV)車の好調などで四輪事業の収益力が高まり、営業利益率は2・2ポイント上昇し、6・8%となった。四輪の世界販売台数は42万2千台増の410万9千台で、HVの販売台数は約80万台だった。 オンラインで会見した三部敏宏社長は、先行投資の負担が大きい電気自動車(EV)を除くと「四輪の営業利益率は8%を超えるような水準にきている」と、四輪の収益体質強化に自信を示した。堅調な二輪事業の営業利益率は17・3%に達した。 7年3月期は、四輪事業の体質強化の進展を踏まえて営業利益は1兆4200億円を見込み、営業利益率は当初目標を1年前倒しして7%の達成を目指す。 売上高は20兆3千億円、最終利益は1兆円の見通し。四輪の世界販売は412万台を計画。このうちHVが100万台を占める想定とした。 一方、ホンダは同日の取締役会で、今年度に過去最大となる上限3千億円の自社株式を取得することを決めた。三部氏は、株式市場における企業評価の主要な指標で、株価を1株当たりの純資産で割って算出するPBR(株価純資産倍率)が1倍を割り込んでいる状況は「非常に大きな課題」と述べ、今後、収益成長の軌道を明確に示すとともに株主還元を強化する姿勢を示した。