【医師解説】シミ取りレーザー治療の基礎知識と知っておきたい注意点とは?
シミ取りレーザーの効果を高めるために
編集部: 一度の治療でシミを綺麗にすることができるのですか? 住吉先生: ピコレーザーには、「ピコスポット」「ピコトーニング」「ピコフラクショナル」という3種類の照射モードがあります。このうち、シミ取りに用いられるのがピコスポットで、シミの大きさや深さにもよりますが、一度で綺麗にできることもあります。 編集部: レーザー治療後は、どのような経過を辿るのですか? 住吉先生: ピコスポットをシミに照射すると、数日後、シミの部分に薄いかさぶたができることがあります。照射後1~2週間経つと、かさぶたが自然とはがれて、薄いピンク色の綺麗な肌が再生されています。この時期は摩擦や紫外線などの刺激に対して非常に敏感なので、保湿対策や紫外線対策は入念におこないましょう。 編集部: かさぶたが取れたら治療終了ですか? 住吉先生: 基本的にはそうです。ただし、場合によっては施術後1カ月ほど経つと色素沈着が起こることもあります。レーザー治療によって肌に刺激が加わったことによる一時的なシミで、「戻りジミ」とも呼ばれますが、いわば火傷のような状態です。以前のシミよりも濃く見える場合もありますが、色素沈着は時間の経過とともに薄くなっていくので安心してください。 編集部: 色素沈着はどれくらいで消えるのですか? 住吉先生: 一般的には数カ月~半年、最長でも1年で消えると言われています。 編集部: 基本的に一度で施術が完了するのですか? 住吉先生: いいえ。シミによりメラニンを破壊するには1回の施術では足りず、複数回必要な場合もあります。その際には肌年齢にもよりますが、1~3カ月を空けて2回目を施術します。その後は効果を確認しながら、必要な回数を重ねていくこともあります。
シミ取りレーザーの注意点
編集部: シミ取りの治療を受けるにあたり、知っておいた方がいい注意点を教えてください。 住吉先生: まず、シミ治療を受ける前に、しっかりと保湿対策と紫外線対策をおこなっておきましょう。健康的な肌の方が施術後のターンオーバーが整い、メラニン色素の排出もスムーズになります。また、シミ治療で用いるレーザーは黒い色に反応します。そのため、黒く日焼けした状態では痛みを感じることもあるかもしれません。場合によっては火傷をすることもあるので、しっかり紫外線対策をしておきましょう。 編集部: 治療後の注意点はありますか? 住吉先生: 施術後は紫外線や摩擦などの刺激を避け、色素沈着を防ぐため、必要があれば患部に保護テープを貼っていただきます。その上から化粧をしたり、日焼け止めを塗ったりすることも可能ですが、必ず医師に指示された期間は保護テープを貼るようにしましょう。 編集部: 「シミが取れなかった」という声も聞きますが、そうした失敗を避けるためにはどうしたらいいのでしょうか? 住吉先生: シミのレーザー治療では、適切な出力でレーザーを照射することが必要です。強すぎると皮膚にダメージとなりますし、反対に弱すぎると期待した効果が得られないからです。そのため、経験豊富な医師がいる医療機関を選ぶことが重要です。また、「事前のカウンセリングが丁寧か」「アフターフォローがしっかりしているか」などの点にも注意して医療機関を選ぶといいと思います。 編集部: カウンセリングやアフターフォローが重要なのですね。 住吉先生: はい、特にカウンセリングが大切です。例えば、肝斑とシミが合併しているにもかかわらず、安易にレーザー治療を勧めるクリニックは、あまり信頼できないかもしれません。そもそも肝斑は簡単に見定めることができず、治療成果を高めるためには、「ここはレーザーを当てても大丈夫ですが、ここは肝斑の可能性があるので止めておきましょう」など、細かく判断しなければなりません。このように、肌の様子を見ながら細かく治療計画を立ててくれる医師を選んでいただきたいです。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 住吉先生: シミの治療は各個人で千差万別であるため、一人ひとりに合わせて判断をしてくれる医療機関を受診することが重要です。適切な治療をおこなうことでしっかりとした対策をしてもらえると思います。特に大切なのは、価格だけで安易に選ばないということです。また、必ずしも「大手だから安心できる」というわけでもありません。実際、当院では「ほかのクリニックで治療を受けたけれど、仕上がりに満足していない」という患者さんも来院されます。もし、シミ治療で困っていたり、悩んでいたりしたら、お気軽にご相談ください。