パロディ菓子の発想は大阪の立ち飲み店で? オリオン「駄菓子」への思い
大阪のノリで楽しい駄菓子を作る
パロディ菓子の発想は大阪の立ち飲み店で? オリオン「駄菓子」への思い 編集・撮影:柳曽文隆 レポーター:岡本ゆか 音楽:打越元久「たとえば」 THEPAGE大阪
大阪のノリで、いろいろ楽しい駄菓子作ってます──。子供のころ、小遣いをにぎりしめて駄菓子屋で買い物を楽しんだ人は多いのではないだろうか。そして、その駄菓子が「どこかで見たことあるような?」と思わず笑ってしまうものだった、という思い出を持つ人も多いのではないだろうか。一見、タバコを連想するパッケージのラムネ菓子「ココアシガレット」などで知られる菓子メーカー「オリオン」(大阪市淀川区)は、現在も時代の流れに合わせた駄菓子などを作り続けている。こうした発想はどこから生まれてくるのだろうか?
パロディは大阪人が持っている「おもてなし精神」から
オリオンの創業は1948年。その3年後に、同社を代表する商品「ココアシガレット」が誕生した。「元々この商品は、タバコの『ピース(Peace)』に似せて作ったんです」と語るのは、同社常務取締役・企画本部長の高岡五郎さん。外側が白く、中にココアがある見た目にもタバコ状にしたラムネ菓子は、多くの子供たちが口にした。 「この商品が生まれた時、まだテレビが一般の家庭にはなかったんです。そのころの子供らが、家にいて身近に感じる大人らしい光景のひとつは、父親が自宅の縁側などでタバコを吸っている姿、威厳もありましたしね。そんな子供たちの『あこがれ感』から、この商品は生まれたんです」と高岡さんはうれしそうに語る。 しかし、近年では当時と違い、タバコの自動販売機でICカードなどを使用したシステム「taspo(タスポ)」なども登場。そこで、同社はその世相を反映しようとタバコの自動販売機型の箱を制作し「ノースモーキング(no smoking)」と書かれたカードを箱に刺してしか商品が取り出せないというものも作るなど、世の中の動きは常に意識し、かつ、そうしたことに必ず笑いを取り入れることを意識しているという。 高岡さんは「これは大阪の人がもっている、おもてなしの精神ですかね」と話す。また、「おもしろいことを言うて笑ってもらおうという、まぁ『いちびりの精神』でしょうか。おもしろいことは自分だけじゃなくて、人にもという大阪人独特のサービス精神ですね」とも続ける。