【阪神】強烈な「浜風」に泣き、天を仰ぎ…それでも佐藤輝明貴重な犠飛 フォーム改良で確実性増
<阪神2-1中日>◇5日◇甲子園 阪神佐藤輝明内野手(25)が両手を上げて天を仰いだ。3回、1点を先制しなおも1死満塁。中日大野の132キロツーシームを捉えると、良い角度で打球が上がった。いったか…と思わせる当たりだった。 ただ、この日は右から左へ左打者泣かせの強烈な「浜風」が吹いていた。打球は押し戻されグランドスラムはならず。それでも貴重な犠飛。「いい流れでしたし、最低限ですがランナーをかえすことができてよかったです」。一塁ベース手前で「お手上げポーズ」をとったものの、2点目が入った。結果的には1点差ゲーム。これが大きかった。 2回には今季100安打目となる中前打を放っていた。近本、森下、大山がすでに到達しており、同一シーズンに「ドラ1」4人が達成するのは球団史上初の快挙。名前の頭文字をとって「近森大佐」カルテットが球団史に名前を刻んだ。新人から4年連続100安打&2桁本塁打も球団初の記録。「しっかり振りにいけた」とうなずいた。 後半戦は踏み出すスタンスの幅を狭くした。重心が捕手側に残り「ボールとの距離を取れるというのはある」とメリットを感じる。時には「軽打」も意識する。ずっと課題にしてきた確実性が備わりつつあり「ちゃんと当たれば長打にはなると思うので」。岡田監督も「角度がつけばホームランになる」と言い続けてきた。着実にミートすることにも重きを置き、安打を積み重ねる。 同一カード3連勝で6日からはヤクルト3連戦。敵地神宮では今季3本塁打と球場別最多タイだ。「本当に最後までどうなるか分からないですし、しっかり目の前の試合を勝って、積み重ねていければなと思います」。好相性の舞台で上位猛追の一撃を狙う。【中野椋】 ▼佐藤輝が2回の中前打で今季100安打に到達した。阪神のドラフト1位入団選手としては今季、近本、森下、大山に続き4人目(ほかに中野)。ドラフト最上位入団の4選手が同一年に3桁安打を記録したのは、球団初となった。 ▼これで佐藤輝と中野の21年同期入団コンビは、新人年からそろって4年連続3桁安打。この2人は昨年、プロ野球初の「同一球団でプロ1年目からそろって3年連続100安打以上」という快挙を成し遂げており、記録を4年に伸ばした。