写真:現代ビジネス

天狗に会ったことがある。 と言うと、笑われるのだけれど、何度思い返してもあれは天狗だったと思う。 【マンガ】「南海トラフ巨大地震」が起きたら、そのとき目にする「衝撃的な光景」 5歳ぐらいの頃、深夜にふと目が覚めて窓を見ると天狗が部屋を覗いていた。暗闇の中で私をじっと見つめて、何かを訴えているようだった。怯えた私は右隣にいる父の腕の中に潜り込んで朝を迎えた。 天狗の他にも、幼少期から今に至るまでいくつかの不思議な体験をしてきたからか「ソッチ系のお話」が大好物だ。そんな私に耳寄りな情報が入ってきた。「池袋でUFOを呼ぶらしい」と。 怪談・UMA・宇宙人など様々な都市伝説を集め、2023年に延べ3万人を動員した「都市伝説展」が今年も開催されている。より一層充実した濃度の高い展示内容もさることながら、閉館後のサンシャイン水族館「マリンガーデン」でUFOを呼ぶイベントまで開催されるという。*UFOを呼ぶイベントの応募は終了しています。 大都会池袋でUFOを呼ぶだって!? しかもオカルトに親和性の高い池袋だと!? ということで、メディア向けプレオープンにお邪魔し、制作陣のひとりであるUMA研究家 中沢健氏にお話を聞いてきた。私のように不思議な体験をしたことがある人も、ただワクワクしたい人も、ぜひこのインタビューで予習をして会場へ向かってほしい。

河童の目撃情報は3日に1件！ 本当にいるんじゃないかなあ……。

“動く待ち合わせ場所” こと中沢健氏とは初対面だったが、すぐに発見できた。

――UMAとは“Unidentified Mysterious Animal”という和製英語で、生物学的に確認されていない未確認動物のことですが、その範疇はかなり広いように思います。ツチノコ、ネッシー、宇宙人の他に、実態のない現象と言えるようなものまでUMAと呼ぶことがあります。 中沢この辺りのジャンル分けは難しくて、このイベントでは「UFO・宇宙人」として紹介されている「フラットウッズ・モンスター」などはUMAとして紹介されることも多いんです。自分はこのイベントではUMAの他に、UFO・宇宙人、オーパーツなどの展示を主に担当しています。宇宙人も生き物であることは間違いない。だけど、本当に実在しているかどうかはやっぱり未確認……そういう意味ではUMAと言ってしまっても問題ないと、ボクは思います。実際、UMAの中には宇宙人説が唱えられているものも多いのですよ。日本ではあまりメジャーな仮説ではないですが、アメリカではビッグフット=宇宙人説を主張している人も多いですからね。 ――ズバリ、UMAは存在しているのでしょうか？ 中沢このイベントで扱われている他の都市伝説……例えば宇宙人や心霊、超能力などは残念ながらまだ確実に存在を証明できたことは1度もありません。 だけど、UMAだけは違うんですよ。 世界には、元UMAがたくさんいます。ゴリラやパンダだって、目撃したと言っても信じてもらえなかった時代があったんです。今でいうビッグフットやイエティのような存在だったんです。 新種の生物は現代でも毎年1万8千種類近くも見つかっているんですよ。だから、UMAは確実に存在しています！ ――例えば「ネッシー」だと、写真にまで撮られていますが、「最も信憑性がある」と言われているUMAを挙げるとすればなんでしょうか？ また、その理由をお聞かせください。 中沢実は、UMAは1970年代に日本で作られた比較的新しい言葉なんです。だから、UMAの定義も人によって微妙に違ってきます。 ネッシーやチュパカブラと比べると、リアルな話として受け止めてもらえると思うのですが「ニホンオオカミが今も生き残っている」みたいな話も、UMAの話として語られたりするんですよ。「絶滅未確認動物」ですね。 ニホンオオカミは西洋の狼と比べても、見た目は犬にそっくりなので、皆さんも知らないうちに目撃しているUMAかもしれません。 ――「ニホンオオカミもUMA」と聞くと、UMAが一気に身近な存在になった気がします。中沢さんには目撃情報も集まると思うのですが、よく発見されているUMAは何でしょう？ 中沢自分はUMAの情報を発信するYouTubeチャンネルをやっているんですが、UMAの目撃情報も頻繁に送られてくるんですよ。その中でも圧倒的に多かったのが河童でした。今でも河童の目撃情報なら3日に1つくらいは届きますよ。これだけの人が見ているんですから、河童はいるんじゃないかなぁ。 日本のUMAの代表と言えばツチノコというイメージも強い。河童はUMAというよりも、妖怪としての側面のほうが大きい。ただ、少なくとも2000年代以降に限って言えば、ツチノコよりも河童を目撃したと語る人のほうが多い印象があります。