5月5日は今が旬の「ワカメの日」! 意外とすごいワカメの効果を大研究
ワカメなどの海藻の摂取が虚血性心疾患の発症リスクを低下させたという研究結果について、高知県立大学健康栄養学部講師の村井詩子氏が説明する。 「私たちは、心筋梗塞と急性死を含めて虚血性心疾患と定義しました。そして、海藻の摂取頻度が多い場合、虚血性心疾患の発症リスク低下と関連していたことがわかりました。 1990~94年に海藻の摂取についてアンケート調査を行ない『ほとんど食べない』『週に1~2日』『週に3~4日』『ほとんど毎日食べる』の4グループに分けました。その後、約20年間追跡し、循環器疾患(心臓や血管の病気)との関連について調べました。 すると『海藻をほとんど食べない』グループと比べて、『海藻をほとんど毎日食べる』グループは、虚血性心疾患の発症リスクが男性で24%、女性で44%低いことがわかったのです。 なぜ、このような結果になったのか。これまでにヒトや動物実験の結果から、海藻に含まれているフコイダンが血液中の中性脂肪やLDLコレステロール値を改善することや動脈硬化を抑制すること、ワカメの粉末を摂取すると血圧値の上昇が抑えられたことなどが虚血性心疾患の発症抑制につながったと考えられます」 ワカメなどの海藻を食べていると、虚血性心疾患のリスクが下がるということはいえるかもしれない。 ちなみに、よく聞く「ワカメを食べると髪の毛が増える」というのは本当なのか? 多賀氏に聞いた。 「ワカメを食べたから髪の毛が増えるということは、まずないと思います。もし、そうだったら皆さん試して、すでに生えていると思うんです。ただ、偏った食生活をしていて髪の毛が薄くなっている人が、栄養バランスのいい食事をすると髪の毛にいく栄養が取れるかもしれません。 そういう意味では、ワカメなどに含まれているポリフェノールはアンチエイジング作用がありますし、亜鉛はタンパク質合成をしっかりしてくれる。髪の毛が健康な状態でいてくれるということはゼロではないと思います。ですから、ワカメを食べないよりは、食べたほうがいいと思います」 では、ワカメをどれくらい食べればいいのか。村井氏が答える。 「今回は頻度についての調査でしたが、1食分の目安としては水戻し量で約20gです。イメージは小鉢のワカメの酢の物くらいの量です」 とはいえ、毎食ワカメを食べるのは、なかなか難しい。そこで、タレントで女優の橋本マナミさんが、ワカメを大量に取れるレシピを教えてくれた。それが〝ワカメ丼〟だ。 「乾燥わかめを水で戻して、ゴマ油とお醤油で炒めて白ゴマをかければ完成。白いご飯にのせて食べます。とても簡単です」 旬のワカメを使ったワカメ丼。健康増進のため、ぜひ、食べてほしい!
■橋本マナミさんオススメの超簡単ワカメ丼レシピ 材料(2人分) ●乾燥わかめ......7g(水で戻して使用) ●ゴマ油......フライパン4分の3周 ●醤油......フライパン1周と4分の1 ●白だし......適量 ●ご飯......茶碗2杯分 ●白ゴマ......適量 作り方 ●油を引かずにフライパンで ワカメを炒める ●水気がなくなったら、ゴマ油を回し入れる ●醤油を回し入れる ●白だしは風味つけ程度に入れる ●全体を炒め合わせる ●茶碗にご飯を盛り、炒めたワカメをのせる ●白ゴマを振りかける 取材・文/村上隆保 写真/PIXTA(ワカメ)