「懲役140年の間違いではないか」小児性愛を自認しながら保育士になり女子園児7人をトイレや押し入れで…男(27)に下った「懲役14年」の驚くべき軽さ
いったい何のための保育園なのか――。勤務先で女子園児らにわいせつな行為をしたとして、不同意性交などの罪に問われていた元保育士の長(おさ)田(だ)凪巧(なぐみ)被告(27)に対し、東京地裁は11月14日、懲役14年の実刑判決を言い渡した。 【本人の写真】7人の女子園児へのわいせつ行為で有罪判決を受けた長田被告の表情 「判決で長田は2021年9月から23年12月の2年余りの間に7人の女子園児にわいせつな行為をしたと認定されました。昼寝の時間を見計らってトイレや押し入れなどに一人ずつ連れて行っては犯行を繰り返していたのですから、酷い話です」(司法担当記者)
「小児性愛を自認しながらも保育士の仕事に就いた」
そもそも東京都墨田区内の長田の実家は保育園。将来、父親の経営を引き継ぐことは既定路線で保育士の道を選んだという。 「検察側は、長田が小児性愛を自認しながらも保育士の仕事に就いたことを明らかにしていましたから確信犯でしょう。最後に被害を受けた女児が母親に泣きついていなければ、被害女児の数はさらに膨れ上がっていたに違いありません」(同前) 被害女児の母親は、娘が寝言で「やめて」と口にすることもあったと法廷で証言。「二度と心から消えない傷を負った」とも話しており、判決は求刑懲役15年に対し、ほぼ同じ量刑の懲役14年を言い渡した。 これを重いと取るか、どうか。仮に刑が確定して長田被告が刑期を丸々刑務所の中で過ごしたとしても、出所したときはまだ41歳だ。
ネット上では《懲役140年の間違いではないか》
判決が下された日、ネット上では「懲役14年」がトレンド入りし、《懲役140年の間違いではないか》などとする批判の言葉が躍った。 そもそも性犯罪は量刑が軽すぎるとの批判に何度もさらされてきた。 かつては強姦罪、強制性交等罪などと呼ばれていた不同意性交等罪。1999年~2001年では懲役3年以下の判決が5割を占めていた。17年に法定刑が5年以上に改められたが、19年に同様の罪に問われた被告が懲役15年以上となったのは、5%に満たない。 性被害者の支援団体関係者は「フランスが拷問を伴った強姦罪は無期拘禁刑に処するなど、海外では厳罰化が進んでいます。米国では一部の性犯罪者の再犯率が高いことを考慮して出所後もGPS端末を装着させています。日本は性犯罪者に甘いとみられかねません」と指摘する。 政府は26年中に性犯罪歴がある人物を保育士など子供に接するような職業に就けなくする「日本版DBS」を始める予定だ。だが、長田のような初犯を防げない。 判決は「安心して子供を預けられるはずの保育園で被害を受け、保護者の悲痛な心情は察するに余りある」と判示したが、「第二の長田」が生まれる危険性は日本社会に残っている。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年11月28日号