<東京五輪>舛添知事が会場計画見直し表明 何が背景なのか?
舛添要一都知事が東京オリンピック・パラリンピック会場計画の見直しを言及して波紋を呼んでいます。どうして、今になって会場計画が見直されることになったのでしょうか? そして、今後はどうなるのでしょうか? 【図解】1940年に「幻の東京五輪」 五輪招致の歴史
五輪後に「都民の財産になるのか」
昨年の第125次IOC総会で2020年のオリンピックは東京開催に決まりました。大会招致を実現した猪瀬直樹前東京都知事が策定した基本計画では、ほとんどの競技会場が半径8キロ圏内に収まるというコンパクトさと、あまりお金をかけないことがウリになっていました。現在、その準備が着々と進められています。 開催決定によって、東京都は10、大会組織委員会は11の競技会場を新たに整備する予定を発表しました。猪瀬都知事の後を受けた舛添要一都知事は、東京オリンピック・パラリンピックの参考にしようとソチや北京を視察しています。 視察を踏まえ、舛添都知事は6月の第二回都議会定例会で新しく建設される競技場のうち、大会終了後もそれらが都民の財産になりえるのかとの疑問を投げかけました。そして、会場計画を一から再検討することを表明しています。
来年2月までにIOCに開催基本計画
オリンピックは世界が注目するイベントだけに、国家の威信もかかっています。それだけに、開催を機に世界に誇れる都市にしようとインフラを充実させようとの思惑が強くなります。 しかし、昨今は建設資材費や人件費が高騰していることもあり、会場の新設は当初の想定をはるかに上回る資金が必要になりました。そうした背景から、6月14日の記者会見で舛添知事は「終わったあと、都民がスポーツ活動に活用できるのかどうか、そういうことで判断する問題だと思っています」と活用する方針を表明しました。 「東京オリンピック・パラリンピックの開催基本計画は来年2月にIOCに提出することになっています。開催計画を変更するとしたら、それまでに決めなければなりません。舛添知事が方針を表明したとはいえ、まだ具体的な内容は決まっていません。現在、東京都で再検討しているのはカヌーの競技場ぐらいです」(東京都オリンピック・パラリンピック準備局) カヌー競技場として予定されている葛西臨海公園は、希少種の野鳥が飛来・繁殖することで知られています。そうした理由から、自然を破壊しない競技会場の建設を求める声が以前から強くありました。それを舛添都知事が再検討すると決めたのです。