横浜・関内エリア復権へ 市庁舎跡を再開発、複合施設「ベースゲート」8年春に開業
JR関内駅南口(横浜市中区)の約1・7ヘクタールの旧市庁舎街区について、再開発を手がける三井不動産など8社が、街区の名を「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」に決めた。令和7年末に完工、8年春に開業する。駅北口では三菱地所などによる高層ビル2棟の建設計画も進んでおり、みなとみらい21地区などと比べ〝旧市街〟の趣が強かった関内エリアの復権は間近となってきた。 【写真】神奈川県の基準地価、3年連続の上昇 9年連続最高価格地点となった商業施設「横浜モアーズ」 ■「新旧融合」で活気 ベースゲートは、旧市庁舎の一部を保存活用しながら、オフィスや大学などが入る33階建てビル、テラスや広場などを備えた「新旧融合」の施設となる。隣接する横浜スタジアムとデッキでつながり、さらなる街の活性化が期待される。 目玉となるのは、ディー・エヌ・エー(DeNa)が直営するライブビューイングとエンターテインメントの施設。高さ8メートル、幅18メートルの大型LED画面を中心に、プロ野球や音楽ライブなどの臨場感あふれる映像と飲食を同時に楽しめる。また、プロジェクションマッピングなどの技術とスマートフォンを組み合わせ、世界の絶景や未知の生物に出合う「没入型のエンタメ体験」を提供する。 旧市庁舎には、星野リゾートが都市型観光ホテルとして展開している「OMO(おも)」が入る。客室数は約280で、横浜を熟知したガイドによるツアーなど「街を楽しみ尽くすためのサービス」を提供する。 高層ビルにはオフィスや大学、商業施設のほか、生命科学分野のベンチャーなどが入居する「新産業創造拠点」も設置。日射を考慮した外装や熱回収システムを導入するなど「関内エリア最大級の環境配慮型オフィス」になるという。 ■高まるブランド力 幕末の開港後に外国人居留地が置かれた関内は横浜が発展する原点となったエリアだが、商業の中心は横浜駅周辺へ移り、オフィス需要の面でも新横浜駅周辺などの人気が高まった。 令和2年には市役所が約1キロ離れたみなとみらい地区へ。約6400人の大所帯が引っ越した上に新型コロナ禍も重なり、「打撃を受けた飲食店の入れ替わりが相当進んだ」(東京商工リサーチ横浜支店の森沢章次課長)という。 一方、5年には関東学院大が駅西側にキャンパスを新設。学生3000人余りが金沢八景キャンパス(同市金沢区)から移ったことで、街の「若返り」も進んだ。