「まじめにボクシングやってます」強打復活の比嘉大吾、主要4団体すべての世界王者が日本人のバンタム級戦線に殴り込み
◇記者コラム「Free Talking」 主要4団体すべての世界王者が日本人となっているバンタム級戦線に、元WBCフライ級王者・比嘉大吾(28)=志成=が殴り込もうとしている。5月に発表されたバンタム級ランキングでWBO1位に浮上。WBA3位、WBC9位、IBF10位と他団体でも上位につけたことで、本人と陣営は次戦での世界挑戦に狙いを定めた。 「メンタルの準備はできてます。集中してますよ。まじめにボクシングやってます」と、比嘉は気合を入れる。WBOの1位は、4月まで1位だったガバリョ(フィリピン)が5月10日の試合で初回KO負けを喫したため。陣営はこれを受けて、当初7月に計画していた世界前哨戦をキャンセルした。 比嘉は2014年のプロデビューからKOの山を築き、17年5月にプロ13戦目でWBCフライ級王座を獲得。その後2度の防衛もKO勝利で、日本記録のプロデビューから15連続KO勝利をマークしたスラッガーだ。 だが、その裏では減量に苦しみ続け、18年4月に行われた3度目の防衛戦で体重超過を犯し王座を剝奪される。勝っても王座は失う条件で行われた試合にも敗れ、試合後は日本ボクシングコミッションから無期限資格停止処分を科された。 20年に処分が解除され、2階級上のバンタム級でリングに復帰。以降は現IBF同級王者・西田凌佑(六島)に判定負けするなど苦しい試合も経験したが、ここ2試合は連続KO勝利で復調を印象づけている。通算戦績は21勝(19KO)2敗1分けだ。 現在、バンタム級はWBO王者・武居由樹、WBA王者・井上拓真(ともに大橋)、WBC王者・中谷潤人(M・T)、IBF王者・西田が並ぶ。強打を復活させた比嘉は、そこに割り込むべく野木丈司トレーナーとハードトレーニングを重ねている。(ボクシング担当・藤本敏和)
中日スポーツ