サッカー日本代表ワールドカップベスト8のカギは久保建英と鈴木彩艶 福田正博がふたりに期待する理由
【久保建英はインカーブシュートを決められるか】 もうひとりは久保建英(レアル・ソシエダ)だ。彼の成長なくして日本のW杯ベスト8以上はないとは、誰もが思っていることだろう。 2022-23シーズンから所属するレアル・ソシエダでは、攻撃の中心として存在感を発揮している。1年目は35試合9得点、昨季は30試合7得点。レアル・ソシエダに所属する前のラ・リーガでの4シーズンでの総得点は6ゴールだったが、所属したチームが守備的な戦術を敷くことが多かったのが影響した。ただし、ここでの経験があったからこそ久保の守備力やフィジカル強度が高まったのだと思う。 レアル・ソシエダでは攻撃センスが開花したのだが、ゴールをお膳立てするシーンに比べると、まだまだゴールを決めるシーンは多くはない。日本代表でも右サイドからチャンスメイクすることは多いが、久保がゴールを決めきるシーンがもっと増えてくれば破壊力は倍増するはずだ。 W杯アジア最終予選のアウェー中国戦で、久保は右サイドからゴール中央にカットインしてシュートを放ったが、相手GKに弾かれて得点にはつながらなかった。あのゴール左に向けてカーブをかけたシュートが決まるようになれば、久保のテクニックがもっと生きてくるのは間違いない。 ゴールファーサイドへのインカーブシュートが決まるようになれば、相手DFはそれに対応しようと足を伸ばすようになるだろう。そうなれば今度はそのDFの股下からゴールニアサイドを狙ったり、キックフェイントから切り返してDFをかわしてシュートを打ったりもできる。そこでのテクニックや視野を久保は備えているだけに、あのカーブをかけた巻いたシュートをもっと磨き上げてもらいたいと思う。 この巻いたシュートのコツを久保が掴めば、セットプレーからの得点シーンも見られるようになると期待している。シュートのキックの質が高まれば、FKで直接ゴールを狙うキックにも活きてくるからだ。 以前に、久保はFKで名を馳せた日本代表OBのもとを訪ねて、コツを聞いたという。昔の日本代表には中村俊輔や遠藤保仁などFKを得意にする選手が数多くいたが、いまはスペシャリストが見当たらない。FK向上を意識して取り組んでいる久保が覚醒する日が待ち遠しいところだ。