世界各地で音楽フェスの相次ぐ中止 2024年は本当に「音楽フェスがオワコンになった年」なのか?
フェスも「トップしか生き残れない」?
オーストラリアのAP通信の報道によると、同国のフェスティバルに参加する若者(10~20代前半)の数は「2018~19年は全チケット購入者の41%を占めていたが、2022~23年には27%に減少」。現在、同国のチケット購入者の最大の人口構成は「20代半ばから後半」にシフトしている。 かつてフェスへの参加に積極的だったミレニアル世代の多くも中年になり、キャリアや家庭でより多くの責任を負うようになったため、数日間にわたるイベントに参加する魅力は薄れているようだ。 実際、フェスブームの時代に、あまりにも多くのフェスが「体験消費」に熱心な人たちを煽り「フェスが過飽和になった可能性もある」と、彼は指摘する。 その結果、消費者は音楽イベントに行く回数を減らし、その人にとって最も重要なイベントのみへの限定的な参加を選択をするようになったという。 たとえば、ビヨンセやテイラー・スウィフトのような、確固たるファンダムを持つアーティストは、パンデミック後のインフレ下でも、単独ライブやツアーを成功させている。それと同じように、フェスも過飽和したことで「トップしか生き残れない」状況が生まれたのだと、彼は説明している。 一方、このフェス不況のなかでも、より年配の世代をターゲットにした有名なフェスのなかには、成功したものもある。 今年70周年を迎えた米国のニューポート・ジャズ・フェスティバルは、3日間とも「楽々と完売」したと報じられている。
COURRiER Japon