【コラム】2025年蛇の年の中国経済、核心の3種類
2025年は蛇の年だ。蛇が象徴する変化と適応力は中国経済が直面する挑戦を克服するのに特に重要だ。新年を準備しながらわれわれは中国の第14次5カ年計画(2021~2025年)の最後の段階で最も重要な3つの核心主題を選定した。 最初に、デフレのリスクは2025年も最大の懸念事項だ。中国のGDPデフレーターは6四半期連続でマイナスを記録した。2000年以降で最長期間だ。2012~2015年のデフレリスクは主に供給要因が主導した。現在は国内需要要素、すなわち過去最低水準の家計所得増加率、資産価格下落、通貨緩和政策の限定的効果などが問題だ。外部要因、すなわち小幅の通貨価値下落と低い原油価格もデフレ圧力解消に大きな助けにならない可能性が高い。 2番目に、主に政策主導的な消費が予想される。中国は2024年に家電製品買い換えを奨励する政府支援プログラムを導入し、電気自動車(EV)補助金を強化した。こうしたプログラムが2025年にも延長されると予想し、関連消費財がより良い成果を出すと予想する。しかし消費者が支出よりは貯蓄を好むためこうしたプログラムから除外されたブランド品のような品目は消費が低調かもしれない。 3番目に、短期需要創出に向けた追加的な金利引き下げと拡張的財政政策が予想される。最近終了した中央経済工作会議は中国が来年に強力な景気対応調整を実行するだろうと確認した。現在1.5%である中国の政策金利は依然としてゼロ金利水準以上にあり追加利下げの余地がある。また、中央政府財政の弾力性と統制された資本勘定のおかげで財政拡大の余地もある。 不動産部門で以前の緩和政策に対する反応として最近現れた反騰は非常に不均衡で、回復は主に1線都市に集中し、国有開発企業が主に恩恵を受けている。より持続可能な成長モデルに向けた産業再編も深化した地政学的緊張と関税リスクの中でもっと大きな挑戦に直面しかねない。 今後1~3年間、経済や社会にあるすべての根本的な問題が必ずしも状況を悪化させたりはしないだろう。政府は地方政府の負債問題を解決するために歴史上2番目に大きい規模の負債構造調整計画を推進しており、これを通じて成長を支援する財政資源を確保した。また、中国は2010年代の高い出生率のおかげで労働力供給増加という短い機会の入口を持っている。中国がこの機会を活用し所得と雇用の増大、セーフティネット改善のような需要の側面の改革に集中するならば、今後数年間の持続可能な成長に向けたさらに堅固な基盤を用意できるはずだ。 ベティ・ワン/エコノミスト(オックスフォード・エコノミクス)