厳しい9月乗り切った米国株、10月も上昇へ-選挙や景気巡る懸念でも
(ブルームバーグ): 米株式市場は、1年で最も厳しいと言われる時期を乗り切った。接戦となっている米大統領選や連邦公開市場委員会(FOMC)の政策転換、米経済のリセッション(景気後退)懸念をよそに、投資家は10月も相場が上昇を続けるとみている。
S&P500種株価指数は週間ベースで前週まで3週続伸し、7-9月(第3四半期)はこれまで5.1%高となっている。ブルームバーグがまとめたデータによれば、このままいけば1-9月期の上昇率は1997年以来最大となる。また同指数の時価総額は初めて50兆ドル(約7110兆円)を超えた。そして興味深いことに、これら全てが9月という、歴史的に見て株式市場にとって最悪の月に起きた。
この上昇の大半は、これまで長期にわたり多くの成長をもたらしてきた大手ハイテク企業の恩恵を受けることなくもたらされた。実際のところ、ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は第3四半期に1.7%高にとどまる一方、S&P500種の均等加重バージョンであるS&P500イコールウエート指数は9%近く上げている。これはつまり、FOMCが利下げによりソフトランディングを達成するという期待感に後押しされる形で、相場の上昇が幅広いものになっていることを意味する。
ここから先に問題となるのは、この上昇を10月中、さらには年末にかけて継続できるのか、もし継続できるとすれば、どのような展開になるのかということだ。ポジショニングのデータによると、トレーダーや投資家は今夏の初めにはディフェンシブな姿勢だったが、その後はヘッジに動くほどは懸念していないようだ。
サンクチュアリー・ウェルスの最高投資ストラテジスト、メアリー・アン・バーテルズ氏は「私は株式に非常に強気だ」と言明。「半導体株の上昇は一服し、投資家も留意している。だが10-12月(第4四半期)は大型ハイテクと半導体銘柄がけん引する形で相場は上昇するだろう」と述べた。