【更年期の足裏の痛み】足底腱膜炎の原因は?ストレッチとツボ押しで予防・対策
朝起きて歩き出すとかかとが痛む、歩き出すと足裏全体が痛む、足裏が突っ張っている感じがする…足の裏の痛みの原因はいろいろありますが、その1つが「足底腱膜炎(そくていけんまくえん)」です。足底腱膜炎は更年期から特に起こりやすくなります。今回は、足底腱膜炎の原因や自分でできる対策ケア方法を紹介します。 <写真>【更年期の足裏の痛み】足底腱膜炎の原因は?ストレッチとツボ押しで予防・対策 ■足裏の痛み引き起こし更年期に増える「足底腱膜炎」 先日このようなご相談をいただきました。 「更年期に入ってから、足の裏の痛みに悩まされています。足の裏のツボ押しテクニックを教えていただければたいへん助かります」(40代女性) 足裏の痛みは、女性ホルモンが急激に変化する更年期に起こりやすい症状の1つです。その原因として代表的なのが「足底腱膜炎」です。足底腱膜炎があると、「朝起きて歩き出そうとするとかかとが痛い」「急に歩き出すと足裏全体が痛い」「足の裏が突っ張っているような感じがする」「つま先立ちをすると痛みを感じる」といった症状が現れます。にもかかわらず、動いていると徐々に痛みは減ってくることもあれば、痛みがだんだん強くなることもあります。症状に個人差は非常に大きいのですが、歩くという動作は毎日行いますから、積極的に予防や対策ケアに取り組むことが大切です。 ■足底腱膜炎の原因 足の裏にはかかとの骨から足の指の付け根にかけて、多くの腱が膜のようにあります。これが「足底腱膜」です。 足底腱膜には、歩いたり走ったりするときの衝撃を吸収したり、足を上げやすくしたりするバネのような働きをしています。この足底腱膜が炎症を起こすのが、足底腱膜炎です。足底腱膜炎になりやすいのは、主に足をよく使う人ですが、足の筋力や柔軟性不足など、次のようなさまざまなケースがあります。 ・ランナー ・立ち仕事が多い人 ・更年期などで女性ホルモンが減ってきた人 ・足の筋力や柔軟性が不足している人 ・足に合わない靴を履いている ・扁平足や外反母趾がある ・肥満があり足への負担が大きい人 足底腱膜に炎症が起こると、最初の一歩で痛む、急に歩き出すと痛むといったような症状が現れます。慢性化すると痛みが増すこともあるため、早めの対策が大切です。今回は自分でできる三つの対策ケア方法をご紹介します。 ■足底腱膜炎のケア①足裏ストレッチ 足底腱膜炎の対策ケア1つ目は、足裏のストレッチです。足の筋力や柔軟性が低下すると、足底腱膜が引っ張られます。すると、炎症が起こりやすくなってしまうため、ストレッチやトレーニングすることが予防や症状の改善につながります。 ①足裏のつま先側に手をかけ、足裏をゆっくりと反らせる。 ②5秒間キープしたら、ゆっくりと戻す。 ③3セット行ったら、もう片方の足でも行う。 1日過ごすと足裏にも疲れがたまっています。足裏のストレッチは夜寝る前に行うのがおすすめです。 ■足底腱膜炎のケア②ふくらはぎのストレッチ&トレーニング 二つ目の対策ケアは、ふくらはぎのストレッチ&トレーニングです。 ①両脚を伸ばし、かかとをグーッと突き出す。 ②5秒間キープしたら、つま先を遠くに伸ばす。 ③5回繰り返す。 この動きだけで、ふくらはぎの筋肉を使っている感覚があると思います。ふくらはぎの筋肉を鍛えたり、ストレッチをして柔らかく保つことで、足底腱膜が引っ張られすぎてしまうことを防ぎ、足底腱膜炎を予防する効果が期待できますので、ぜひ試してみてください。 ■足底腱膜炎のケア③ツボ押しケア 足の裏が痛いときは、足の裏以外のツボ押しケアがおすすめです。今回は2つのツボを紹介します。 1つ目のツボは「水泉(すいせん)」です。内くるぶしとかかとの中間点にあります。水泉を押すことで、脚の老廃物を排出してむくみを解消したり、筋肉疲労をとる効果、足裏の痛みの改善が期待できます。 2つ目のツボは「僕参(ぼくしん)」です。外くるぶしとかかとの中間点にあります。僕参を押すことで、足裏の痛みの改善が期待できます。 押し方は、ツボ押しをする足と反対側の手の指を使って、一度に2つのツボを押していきます。水泉に親指を、僕参に中指を当てて、ぐっと挟むようにして5秒ゆっくり押して離すのを3セット行います。左右両方の足のツボを押しましょう。 ■直接足裏を刺激するのはNG 足の裏の不調というと、アーチ型の竹をふんでみたり、足裏のマッサージがよいと思いがちです。しかし、足底腱膜炎は足裏に炎症が起こってる状態なので、足裏に直接刺激を与えることはおすすめできません。今回お伝えしたような、足裏やふくらはぎのストレッチや、ふくらはぎの筋トレ、足裏以外の場所のツボ押しなど、足裏を直接刺激しない方法を試してみてください。足裏の症状が続いたり、痛みが辛い場合は、整形外科を受診することも大切です。もし、更年期の症状が他にもある場合は、婦人科で相談することもできます。足の痛みは日常生活にも大きく影響します。積極的に予防や対策ケアに取り組むようにしましょう。 ライター/永田京子 NPO法人 ちぇぶら代表理事、更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ3万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。
永田京子