ビールの主役ホップの健康効果が脚光、血糖値やがん抑制などに高まる期待、研究続々
ノンアルコールビールも試してみては
言うまでもなく、錠剤を飲むこととビールを飲むことは同じではない。まず、ホップを強調し、キサントフモールを特に多く含む小規模メーカーの地ビールでさえ、その量は1リットルあたり4~5ミリグラムに過ぎず、大手ブランドやホップの少ないラガーのようなビールではさらに少なくなる。 「研究と同じだけの効果を得るには、1リットルのビールを飲んでもとても足りません」とブラッドリー氏は言う。 一部のホップ生産者は、ポリフェノールの含有量が多い種の開発に取り組んでおり、ビールメーカーも、消費者が手に取る最終製品により多くの成分を残すことができる、代替的な醸造法を模索している。 こうした取り組みは、健康食品店で販売されている既存のキサントフモールやその他のポリフェノールを含むサプリメントよりも、一般的な健康促進に役立つ可能性もあるとズグラブ氏は言う。「お酒に関して悩ましいのは、ビールに含まれる健康成分の多くが、アルコールの存在下でより吸収されやすくなるという点です」 当然ながら、飲酒には害が伴う。そのためズグラブ氏は、アルコール濃度の低いビールを選び、飲む頻度を週に数回に留めることを勧めている。 「砂糖や脂肪と同じく、ビールに関しても、毒になるかどうかは量次第なのです」と氏は言う。また、ときにはノンアルコールビールを試してみるのもいいだろう。「アルコールフリーのワインとは違い、ノンアルコールビールは味もかなり優秀ですから」
文=Meryl Davids Landau/訳=北村京子