最終戦“だけ”で決まるシーズン最終成績 シェフラーは現行制度にチクリ
◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 事前情報(14日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7243yd(パー70) 【画像】アメリカ国歌に目頭を押さえるシェフラー PGAツアーのプレーオフシリーズはシーズンのクライマックス。フェデックスカップポイントランキング上位70人によるプレーオフ初戦の今週は50位までが次週の第2戦「BMW選手権」(コロラド州キャッスルパインズGC)に進み、同じく30人が最終戦「ツアー選手権」(ジョージア州イーストレイクGC)を戦う。年間王者の座をはじめ、最終順位の行方が同大会に集約されたシステムに疑問を呈するのがポイントランキング1位のスコッティ・シェフラーだ。 シェフラーは「マスターズ」を含む今季6勝をマーク。同ランキング1位の5993ptは2位のザンダー・シャウフェレに1936pt差、3位ロリー・マキロイ(北アイルランド)に3448pt差を付けている。年間レースに影響しない「パリ五輪」でも金メダル獲得で実力を改めて見せつけた。 現行のプレーオフ制度ではその世界ナンバーワンが、30位でシーズンを終える可能性を秘めている。ツアー選手権は第2戦までのランキングに応じて、初日スタート時のスコアにストローク差を設けるハンディキャップ戦。このまま1位で最終戦を迎えた場合、2位に2打差の10アンダー首位でティオフできる。ただし、4日間で逆転されれば2位以下、最下位の30位で終わるかもしれない。この大会の順位がボーナスの額(1位に2500万ドル=約36億7470万円)を決めるだけでなく、シーズンのランキングとして記録される。 シェフラーは2019年に採用されたシステムについて「何年も話してきたけれど、ばかげていると思う。シーズンの長いレースだというが、1試合に絞られている」と言及。「もしもイーストレイクで首を痛めて、治らないまま棄権したらフェデックスカップを30位で終えることになる。確かに楽しい試合ではある。しかし、良いテレビ番組であることと、長いシーズンを決める戦いであることとのバランスを見出す必要がある」 最後までポイントで争われた08年にはビジェイ・シン(フィジー)が年間王者の座をほぼ“不動”にして最終戦を迎えた。「逆に言えば、それも(ツアーにとって)よくないことだね」と悩ましい。「まあ、試合の結果は考えすぎないように。イーストレイクで勝てなくても、シーズンの振り返りはそう変わらない。ベストを尽くすよ」。3週後、波乱と議論は起こるだろうか。(テネシー州メンフィス/桂川洋一)