親世代が「縁起でもない」と怒る「片づけ」を絶対に今からでもするべき「5つの理由」…実は一番得するのは親世代
両親が亡くなったとき、実家をどうするか考えているだろうか。実家に戻って暮らすのか、それとも実家を処分するのか。いずれにしても遺品整理が必要だが、そこには想像以上の困難が待ち受けている。いわゆる「親家片(おやかた)」本には、「こうして片づけた」「こうすれば片づけられる」などと成功例が書かれているが、現実はそんな生やさしいものではない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 『遺品は語る』(赤澤健一著)から抜粋して、注意するべきポイントをお届けする。 『遺品は語る』連載第21回 『「ゆっくりしていると法律違反に」…短すぎる遺品整理のタイムリミットと本当に頼るべき「人材」』より続く
終活の“タイムリミット”
両親とも健在であればなおのこと、高齢になればなるほど実家にものはたまっていく。一方、子ども世代は次第に年齢を重ねて体力が衰えていく。このため、先送りすればするほど遺品整理はいっそう面倒になっていく。そうして、いずれタイムリミットがやってくることになる。 一般には、親が施設に入ったり、どちらかの親が亡くなったりするのが第一のきっかけだ。実家を片づけたり、亡くなられた親の遺品を整理したりすることについて、きちんと考えることを迫られる。そこを通りすぎたとしても、両親とも亡くなった場合は、もう「待ったなし」だ。決断せざるを得なくなる。 そんなタイムリミットが来てから、やむを得ず着手するのが間違いなのだ。世の中全体が「いずれ必要なことなのだから、少しでも早いほうがいい」と考えてくれるようになるといいのだが。避けて通ることができないのだとしたら、要は事前対策が最善と思うのだが、いかがだろうか。
「親家片」本は子ども側の都合
その重要性に気づいて早めに整理を進めようとすると、ひとつ問題が立ちはだかることになる。実家に現に住んでいる親の気持ちだ。家の中の片づけは、「住んでいる人がその必要性を理解しない限り手をつけられない」という大きな現実的課題がある。 よく売れている「親家片」本などは、「どう片づけたらいいのか」を解説していて、実用的ニーズが存在することを物語っている。しかしそれは、実家に住む親のニーズではなく、子ども世代の考え方でしかないことも多い。 亡くなった親の家を子どもがどうするかに悩んでいるのは事実だとしても、現在そこで生活している親の立場からすれば、まさに「余計なお世話」でしかない。親は親で、自分自身が住みたいように住んでいるからだ。 実用書の多くが提唱する単純な方法論が通用するのは、親が片づけの必要性を理解している場合に限られる。しかし、そんなケースは実際にはごくまれだ。片づけの方法より、むしろ親子間のコミュニケーションの方法が求められていると私には思われるのだが、いかがだろうか。 そういう現実的な壁の存在を含めて、どうすればいいのか、具体的な解決策を考えてみるべきだろう。