〈かつてはあのチャールズ・チャップリンも〉アメリカ米国史上最大の不法移民の大量送還の可能性、戦々恐々とする移民たち
冬休みを前にして米国の多くの大学では、留学生、外国籍の教員やスタッフに対して、もし国外に出る場合は、トランプが大統領に就任する1月20日より前に米国に戻ってくるようにと勧告している。米国の多くの大学は、9月に学年が始まり、クリスマス前に学期を終え、1月に次の学期が始まるまで比較的長い休みを設定している。そのため外国人関係者はこの時期祖国に帰る場合も多い。 【写真】映画やアニメの題材にもなる不法移民問題 一方トランプは、就任初日からの不法移民の大量追放を約束しており、それに伴い出入国業務が厳格化され、場合によっては大混乱に陥ることが懸念されている。そうなると正規の書類を持った者でも入国が困難になることが大いにありうるのである。 また、トランプは大統領一期目において、特定のイスラム諸国からの入国を突如禁止し、既にビザの発給を米国の在外公館から受けていた者も米国に入れなくなり、学期に間に合わなかった学生も多かったことは記憶に新しい。同様のことが起きないとも限らないため、各大学のインターナショナル・オフィスは、注意を呼び掛けているのである。 今回対象となると予想されている国は、前回よりも多く、キルギスタン、ナイジェリア、イエメン、スーダン、タンザニア、イラン、リビア、北朝鮮、シリア、ベネズエラなどが含まれている。そこにインドと中国が含まれる可能性もあるという。 コロナ禍が終了し、現在、米国の高等教育機関で学ぶ留学生数は過去最高を記録している。商務省の統計によれば、留学生は米国経済に500億ドルもの貢献をしているという。 高等教育機関の側も留学生獲得に躍起になっている。州立大学の場合、地元の州出身の学生には大幅な授業料の割引が適用される場合が多いが、その適用がなく、様々な奨学金なども適用外で、はるかに高い授業料を払ってくれる外国からの学生をどの大学も競って入学させたがっている。 その中でも大きな割合を占めているのがインドと中国である。インドからの留学生の急増は特に目立っており、パンデミック以来、ほとんど倍増している。中国からの留学生は減っているとはいえ、インドと中国からの留学生で、米国の高等教育機関への留学生数の半分以上を占めていることになる。この二国からの入国が制限されればそのインパクトは計り知れない。