3000万円超の新型レンジローバーは何もかもが異次元!!! “SUVのカタチをしたリムジン”とも言うべき巨大な4人乗り仕様に迫る
フルモデルチェンジした新型「レンジローバー」に設定されたロングホイールベースの4シーター仕様に小川フミオが試乗した。リムジンとしてもピッタリな、ゴージャスな1台をリポートする。 【写真を見る】新型レンジローバーSVロングホイールベース仕様の超ゴージャスな室内などはこちら!!!(20枚)
確固たる世界観を持つ1台
究極のリムジンを探しているひとには、新型レンジローバーSVのロングホイールベース仕様がいいだろう。余裕あるサイズの車体に、広い後席空間をもった4人乗り。贅をこらした作りで、391種類のインテリア(!)など、自分好みの仕様を注文できる。 日本ではふたつのモデルが用意されている。標準ホイールベースとロングホイールベース。前者は5065mmの全長と2995mmのホイールベース、後者は5265mmと3195mmの組合せ。今回乗ったのはロングホイールベースだ。 こんなに余裕あるサイズでありながら、3列シートでなく、そこに充てられる(べき)スペースに、2名用のシートのためだけに使っている。SUVのかたちをしたリムジンたるゆえんである。 そもそもレンジローバーの魅力であるクオリティの高い素材と、品がよくて、かつ気分が昂揚するカラーコンビネーションを持った室内……そこに大きく角度がついてリクライニングする電動シートがそなわる。 とりわけ運転席と点対称の位置(右ハンドル車だったら左側)の後席は、バックレストが倒れていくと、フロントシートのバックレストが前に倒れていき、さらに足のせが電動で展開するモードがある。これは運転席からも操作できる。完全なショーファーカー装備だ。 実を言うと私は、このレンジローバーSVの後席には何度か乗ったことがある。海外での移動時だ。ただし、自分が雇用しているわけでもない運転手の眼の前で、うんとリクライニングしてリラックス……というのは心情的に無理で、ちょこんと腰掛けるのみ。 それでもかなりいい気分になったことは確か。レンジローバーは雰囲気を作るのが本当にうまい! 確固たる世界観を持っているからだろう。エクステリアも同様だが、へんにトレンドに迎合していない。 「私たちのリダクショニズムなるデザインランゲージは、おなじことをやろうと思ってもマネになってしまうはずだし、そもそも同レベルに追いつくのは難しいことだと思いますよ」 デザインを統括している本社のジェリー・マッガバンは、いまのレンジローバー発表のタイミングでそう語ってくれたことがある。実際、その言葉にウソはないと思われるのだ。