岐阜基地航空祭、開発実験団F-15が特別塗装「銀ちゃん」C-1初号機は参加ラスト
航空自衛隊岐阜基地で11月17日、岐阜基地航空祭が開かれた。同基地の飛行開発実験団所属機による異機種編隊飛行や、空自70周年の記念塗装を施したF-15戦闘機などが展示飛行を披露した。また、今年度内に退役が予定されている国産の中型輸送機C-1が参加するのは、今回が最後となった。 【写真】岐阜基地航空祭で展示飛行に向かうF-15特別塗装機 今回の展示飛行は、午前はF-15、F-2戦闘機、2機のT-4練習機による小編隊、KC-767空中給油・輸送機とF-15による空中給油のデモンストレーション、UH-60J救難ヘリコプターによる救難展示、大編隊による編隊飛行と機動飛行が披露された。 特別塗装のF-15(02-8801)は、実験団のC-2やF-2などと同様、機体の姿勢がわかりやすい白地に赤い線が入ったデザインで、他機種と同じく70周年ロゴが垂直尾翼に描かれた。 航空祭参加が最後となったC-1の試作初号機(28-1001)は飛行試験機(FTB)で、銀色の姿から「銀ちゃん」の愛称で親しまれている。実験団の施設前には、C-1のパイロットや整備員など隊員たちからのメッセージが紹介されていた。 飛行開発実験団は、航空機やミサイルなどの航空装備品に対する試験などを実施している空自唯一の部隊。実用性を確認するための試験や評価、運用に関する基礎的研究、テストパイロットの育成、技術幹部の課程教育など多岐にわたる。C-1初号機も、さまざまな技術評価や試験に用いられてきた。 前身の実験航空隊は1955年12月創設。1957年3月に浜松基地から岐阜へ移駐し、1974年4月に航空実験団となり、1989年3月に現在の飛行開発実験団へ改称した。 C-1は、戦後初の国産旅客機YS-11型機を開発した日本航空機製造(日航製、NAMC)が、防衛庁(現防衛省)の技術研究本部(現防衛装備庁)とともに開発し、川崎重工業(7012)が製造した国産の中型輸送機。開発時はXC-1と呼ばれ、日航製が製造した試作初号機と2号機のうち、初号機は1970年8月24日にロールアウト(完成披露)し、同年11月12日に初飛行した。 今回の来場者数は約6万5000人。午前8時の開門を1時間繰り上げて午前7時から入場できるようにした。昨年は4年ぶりの開催でブルーインパルスが5年ぶりに参加し、約13万8000人だった。
Tadayuki YOSHIKAWA