【解説】地上波民放が相次ぎ“アニメ重視”の秋改編 テレ朝が土曜23時に新枠設立、「ドラゴンボール」のフジやTBSの強さ顕著に
【フジテレビ】「DRAGON BALL」新作で放送、知名度と期待で前進…フラアニ被りの可能性も
フジテレビの最大のアニメ関連トピックは、やはり「ドラゴンボールDAIMA」の放送開始でしょう。故・鳥山明先生が原作、ストーリー、キャラクターデザインを手がけた完全新作アニメシリーズとして、原作ファンの期待はとても高まっています。 放送枠は毎週金曜23時40分枠と決まり、日本テレビの「金曜ロードショー」に続く「フラアニ」と近い時間帯になります。フラアニは23時始まりですが、前番組の影響で開始時間が大きく前後することがあります。その点では、DAIMAのほうが原作の価値として一歩リードしているかもしれません。どちらも気になる視聴者の皆さんは、それぞれ録画や配信サービスを上手く活用したいところです。
【TBS系】「東名阪連携」でテレ東顔負けの強豪に…異世界からラブストーリーまで手厚くカバー
TBS系列では、在京のTBS、在阪のMBS、在名のCBCの三社が全国ネットでアニメ枠を共有し、各局が製作委員会にも参画するなど、存在感を強めています。 今期は毎週木曜にジャンプ原作の青春部活ラブストーリー『アオのハコ』や、人気原作のオカルティック青春活劇『ダンダダン』を放送します。特に『ダンダダン』については、MBSの編成局関係者が「鬼滅の刃」のヒットに続くような作品にしたいと意欲を見せており、自信作であることがうかがえます。 深夜帯だけでなく夕方帯にも引き続き展開し、日曜夕方4時30分からは『七つの大罪』の新作続編を、5時からは『シャングリラ・フロンティア』の第2期を放送します。これは今年の冬クールと同じ布陣となります。 CBCでは、前回好評だった「アガルアニメ枠」にて、今年春にも放送したラノベ原作『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』の第2期を放送。次回冬クールも『キン肉マン』続編を控えるなど、TBS系の期待の新顔として注目を集めています。
【テレ東・TOKYO MX】製作参画進むキー局に押されるも支持なお厚し
テレビ東京では、20周年を迎えた『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』を土曜日23時から放送します。その他、ゴルフアニメ『オーイ!とんぼ』の後半クールや『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の第2期なども放送予定です。深夜帯ではありませんが、『アニメポケットモンスター』も新章を迎え、テレビ東京らしさあふれる3カ月となりそうです。 そして最後に、全国ネットではありませんが「アニメ強豪」であるTOKYO MXにも触れましょう。MXでは今秋、再放送を含め毎週50作品以上を放送予定です。MXは前記各局とは異なり、キー局ネットを持たない関東ローカル局で、製作参画も他局と比べると消極的です。 そのため、人気原作や注目作などが全国ネットに流れる動きがより顕著になっている一方で、キー局と比較して放送枠を比較的安価に買えることから、KADOKAWAやアニプレックスといった大手版権元の作品もしっかりと揃えています。 例えば『Re:ゼロから始める異世界生活』はその一例で、初回90分拡大版で10月2日より始まります。今はストリーミング全盛期であるがゆえに、前回夏クールの『【推しの子】』のように知名度がある作品は「全国ネット進出」をせずとも良い環境になっているのかもしれません。その他にも、日常系作品からラブコメ、異世界転生、動物もの、さらには「MFゴースト」のようなレース物まで、多数のジャンルをカバーしています。
編集部 経済・社会担当