会見で笑顔を見せる井上（中央）。後方は対戦相手でオンラインで参加したグッドマン。左は武居由樹、右は大橋会長（撮影・狩俣裕三）

　プロボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥（31＝大橋）が12月24日、東京・有明アリーナでIBF＆WBO世界同級1位サム・グッドマン（26＝オーストラリア）との防衛戦に臨むと24日、発表された。今年3戦目で、年間3試合は17年以来、7年ぶりだ。9月3日、東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー（アイルランド）を7回TKO撃破して以来、約3カ月ぶりのリングとなる。 【写真】4つのベルトを持ち、記念撮影に納まる井上尚弥 　同日、都内のホテルでカード発表会見に出席した井上は、珍しく挑戦者に注文をつけた。オンラインで会見に登場したグッドマンからドヘニー戦でみせた井上のパフォーマンスに対し「ベストではなかった」「さえないとインタビューでコメントした」との発言はあったことを受け、会見最後にメッセージを出した。 　井上　グッドマン選手と（オンラインで）つながっているので、ひとことだけ言いたいですけど。ちょっとドヘニー戦がさえないという言葉をもらいまして。それはドヘニー選手が塩試合をしたから、さえない試合になってしまった。グッドマン選手には、ぜひ熱い試合をしてもらいたいなと。その意気込みで日本にきてもらいたいなと思います。よろしくお願いします。 　すると、食い気味にグッドマンからも「はい、東京で会いましょう」と自信満々に返答された。 　会見後に報道陣の質問に応じた井上は「塩試合は、嫌じゃないですけど。どうせやるなら熱い試合をしたい。せっかくオンラインでつながっていたから」と意図を明かした。9月の防衛戦では挑戦者のドヘニーの攻め手のないディフェンシブな動きに手を焼いた展開だった。最終的には井上のボディー攻撃で腰に痛みが走って棄権TKOという決着だった。 　井上は「あの試合をさえないという感想を持ったのであれば、グッドマン選手が同じ戦い方を選択したら、その試合もさえない試合になる。自分の性格的に塩試合のボクシングで勝てばいいと思っていないので、倒しにいきますし、ヤマ場もつくるようにします。それに応戦しないのであれば、一方的な、さえない試合になる」とグッドマンが好戦的にファイトすることを強く期待した。 　グッドマン陣営の戦略は12月24日の試合当日になってみなければ分からない。もしディフェンシブな展開となったとしても、井上は最後まで倒す姿勢は貫く姿勢だ。「2団体でランキング1位だからそこまで守備的なボクシングをしたり、倒されないボクシングを徹底したら倒すのは難しい。しかし、その中で自分は必ず勝利を手にするということは曲げずに戦う」と胸中を口にしていた。