元旭国の太田武雄さんのひつぎを見送る元旭鷲山のダバー・バトバヤル氏（左）と大島親方

　２２日に７７歳で死去した、大相撲の元大関・旭国で元大島親方の太田武雄さんの告別式が２４日、東京都内の自宅でしめやかに営まれた。弟子でモンゴル出身初の関取となった元小結・旭鷲山のダバー・バトバヤル氏が、同国から急きょ駆けつけた。 　１か月前にも来日し、生前の太田さんと面会していたという。「会っても（太田さんが）顔を思い出せないと聞いていたが、すぐに『シュウちゃん（元旭鷲山の愛称）、モンゴルから来たんだ』と泣いて喜んでくれた。最後に会えてうれしかった」と振り返った。 　気さくな一方で、稽古場では厳しかった。バトバヤル氏が現役時代、モンゴルから再来日しようとしたところ、悪天候で飛行機が飛ばず、稽古を欠席したことがあったという。そのことに師匠が激怒。同氏は「本気で怒ったときは『まげを切れ』と言われて、ハサミで切られそうになるくらい本当に怖かった」と苦笑しながら思い出を振り返った。一方で「親方がいて、僕がいる」と感謝の思いも口にした。 　同じく弟子だった大島親方（元関脇・旭天鵬）によると、ひつぎには愛用していた黒色のニット帽や毛布などを入れたという。「こんなに（たくさんの）弟子がいておやじ（太田さん）は立派。ありがとうございます、としか言えない。今の人生があるのはおやじのおかげ」と頭を下げた。