日本製鉄社内で〝起業中〟、KAMAMESHIがマッチングサービス開始。中小企業の部品調達を支援
経済産業省の「出向起業支援」を活用し、日本製鉄の社内起業制度で誕生したスタートアップ企業、KAMAMESHI(東京都大田区南六郷、小林俊社長)が中小製造業の設備部品管理・マッチングプラットフォームの提供を開始した。同プラットフォームには大手コイルセンターの五十鈴や機械部品商社の大矢伝動精機などが参画し、事業開始から1カ月で100拠点近くが入会している。 小林社長は、日鉄の棒線営業で顧客と話す中、設備部品の調達が課題となっていることを知る。「数万円の電子基板が手に入らず億円単位の設備をあきらめないといけないこともある。一方、大企業では淡々と廃棄されている在庫もあり非常に勿体ないと感じた」。そこで迅速に部品を融通しあえるシェアリングのプラットフォームを発案。「日本の製造業が元気になれば日本製鉄のためにもなる」との思いから起業を決断した。 既存のネット売買で中古や在庫部品を調達する場合、出品者の身元が判然としなかったり、急ぎ取り寄せたものの自社の設備で使えないのではという利用者の不安があった。KAMAMESHIが仲介することで部品の提供元がフィルタリングされ、部品が自社設備と合わなかった場合は提供元へ返却できる仕組みとしている。同社ではプラットフォーム事業のほか設備で使用する部品が現在も製造されているか、またはどのような部品で代替できるかなど棚卸代行・リスト化するコンサルティング業務も請け負う。今後は製造業の集積地域や業界団体へのPRを図り鍛造、鋳造、コイルセンター業界などで利用者を開拓していく考え。