玉木雄一郎の不倫について…「自分の生きづらさを他人に押し付けない
倫理を求めるテレビという矛盾
そのあと、わたしはXでちょっとした小石を池に投げた。要は、テレビのいう倫理というのがいかにご都合主義かということを問いたかったのである。有名な政治討論番組でも、キー局の選挙特番でも、過去に不倫歴を持つ司会者を据えている。不倫や異性関係で問題になるのは当事者が表立って抗議の意を表明している場合で、当該テレビパーソンに対しては、家族や不倫相手からテレビに出続けることへの強い反対など出ていない。だから、わたしは彼らを辞めさせるべきなどと微塵も思わないし、婚外子を作ろうが、彼女を2,3人作ろうが、特段関心もない。 公人としての彼らのポストは、個人の私生活における「倫理」とは関わりがないからこそ、彼らは地上波で堂々と政治家を追及できるのである。テレビが私生活における倫理などと言い出したが最後、自縄自縛になる。若い社員ほどこうした「建前」の風潮に引きずられて突っ走る向きがあるが、記者やアナウンサーとて、いついかなる時に人生の迷いが訪れるか分からない。人間は掘れば一つや二つは秘め事を持っているもので、危ないのはむしろ成功して大量のアドレナリンが出ているようなときである。玉木氏の案件はそれに当たるのだろう。国民の知る権利を粛々と代理で行使しつつ、余計なことは言わないでおいた方が、マスコミ自身の為なのである。
誰が得をするのか
国民に知る権利はあるとしても、問題は玉木氏の報道でいったい誰が傷つき、誰が得をするのかということだ。一番傷つくのは妻であり、本当にバカバカしい、と腹も立つだろう。ダメージを受けるのは玉木氏とお相手女性である。 不謹慎なことを言うようだが、これで二人はもう会えなくなるのだ。公職の務めを果たすことを選ぶ以上、優先順位は明白だ。つまり、ひっそりとしているあいだは誰も傷つけずに行われていたに違いない楽しみや癒しが、両者から奪われることになる。玉木氏は政治家を続ける限り、生涯にわたってクリーンさを強制されるだろう。 欲望を抑圧された人間は、他人の抑圧に向かうことも少なくない。今後の玉木氏の自粛生活の影響が、どうかこれまでの格好はいいが少し抜けている憎めない人感を残しつつ、性格的に良い方へ出てほしいと願うばかりである。 反対に、得をしたと感じるのは、他人の不幸を喜ぶ人々、玉木氏の成功が妬ましい人たちである。当事者による「報復」が目的ではない不倫報道というのは、ことごとく、大衆の嫉妬や妬みを満足させるために存在する。わが国はもともとキリスト教国でもないし、有権者に広く共有された何らかの宗教上の理由があるわけでもない。倫理を振りかざすのは、まさにこうした黒い気持ちを美名にすりかえるために他ならない。
三浦瑠麗
【関連記事】
- 【詳しくは…!?】三浦瑠麗「玉木雄一郎が見せた最大のクライシスマネジメント」…政治家としても夫としても将来を占う試金石
- 「終わりのないスキャンダル」を考え直すべき時…雰囲気で押し切って行為に及んだことのない男などいるのか
- 国民民主党の「ホテル代112万円」消えた血税…玉木の擁護の声も元国会議員は「世論は不倫を嫌う、そして政治家は立場が厳しくなる」
- 玉木の犬となった石破「どんだけ要求飲めばいい?」自民関係者困惑…何がなんでも総理辞めない理由「自ら設定の勝敗ラインをガン無視」
- 自民・麻生副総裁「民主主義にはコストかかる」に”お前が言うな”の声…2年で「オークラ東京」1465万、「帝国ホテル」559万の爆食い