世話をする人がいない「無縁墓」 全国の自治体の約6割が抱え対応に苦慮 墓じまい考える人も 大分
テレビ大分
「無縁墓」と呼ばれるお墓のことをご存知でしょうか。 継承者がいなくなり世話をする人がいない状態のお墓のことです。墓地が荒れたり倒壊の危険があるため大分県内でも問題となっています。現状を取材しました。 【写真を見る】世話をする人がいない「無縁墓」 全国の自治体の約6割が抱え対応に苦慮 墓じまい考える人も 大分
◆TOS鹿島佑里記者 「こちらの市営墓地、多くのお墓が並ぶ中でかなり昔からあるのか、長年手入れをされていないであろうお墓が目に付く。完全に倒れてしまっているものもある」 大分市駄原にある市営墓地です。無縁墓とみられるお墓が数十基は確認出来ました。 総務省が2023年行った調査では、公営墓地を運営する全国の自治体のおよそ6割が無縁墓を抱えています。 少子高齢化や家族観の多様化を背景に年々増えているとみられ、自治体はその実態の把握に苦慮しています。 ◆大分市保健所衛生課 川添莉菜さん 「やはり墓自体が個人の財産となるので、本当に使用されていないか、無縁墓として親族ではなく、使用者(管理者)本人でもなく市が撤去して良いのかという慎重な判断が必要」
また、無縁墓と判断しても墓を撤去することを1年以上、墓地に掲示する必要があります。 撤去から、遺骨を納骨堂に移すまでの費用数十万円を全て税金で賄うほか、これらの手続きに2、3年ほど時間がかかるため整備がなかなか進まない現状があるということです ◆大分市保健所衛生課 川添莉菜さん 「前の使用者(管理者)が亡くなったら次の使用者(管理者)に承継をしないといけないが、そういった承継の手続きがされていないっていうことが多くある。結構親世代の墓があるっていうことを知らないっていう話もよく聞くので、情報の共有ももちろん大切」 こうした無縁墓を作らないための選択肢も。 豊後高田市で行われたのは「墓じまい」についてのセミナーです。墓じまいとは墓から遺骨と墓石を撤去して更地にすること。セミナーでは墓がある自治体に届け出が必要なことなどが説明されました。
◆参加者は 「息子や娘は大阪の人間なのでなかなか大分でお墓をみるというのは大変かなというので考えさせれた」 ◆まるっと終活大分支援協会 木原寛代表理事 「お墓を引き継げない人、引き継ぐ人がいないという人、引き継 ぐ人がいても負担をかけたくないという人が増えている。墓じまいはいつか誰かがしないといけない、親の代でするのか子の代でするのか人それぞれだと思う」 家族や先祖との繋がりの象徴であるお墓。 無縁墓にしないためにも今一度「お墓の在り方」について考えてみても良いかもしれません。
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