【特集】「怠けているんじゃない!」 「朝起きられない 倦怠感…」 中学生10人に1人「起立性調節障害」対策は…
テレビ信州
朝起きられない、朝の食欲不振、全身の倦怠感、立っていると気分が悪くなる、立ちくらみなど、こうした理由から学校に行きたくても行けない子どもたちがいます。 このような症状を引き起こすのが「起立性調節障害」と呼ばれる病気なんですが、ご存じですか? 中学生の10人に1人がかかるとも言われる「起立性調節障害」、患者の親たちが助けあう活動をしています。 「起立性調節障害松本親の会」代表 古畑圭子さん 「私の息子なんですけれどいま二十歳になりました起立性になって中3 高1の頃 が一番大変でした」 「起立性調節障害松本親の会」、代表の古畑圭子さん。起立性調節障害でつらい思いをしている親子が悩みを共有し、1人じゃないと思える交流の場を作りたいと、5年前に会を立ち上げました。 「起立性調節障害 松本親の会」代表 古畑圭子さん 「私自身も(子どもへの)対応を間違えた親のひとりなので知っていたら変えられたのかなっていう 息子につらい思いをさせなかったかなと言う思いがあって活動をしています」 (松本協立病院) 子どもたちを襲う、「起立性調節障害」。 松本協立病院小児科 鈴木直美医師 「自律神経という身体の呼吸だったり心臓の動きだったり体温調節だったり基本的な身体の動きをつかさどる神経があるんですけどその神経の働きが悪くなって立ったときに身体とか脳への血流がうまく回らなくなって いろいろな症状を起こしてしまう病気になります」 症状を引き起こす原因に低血圧があります。患者は小学校の高学年から多くなり中学生で急増、軽い症状を含めると中学生のおよそ10人に1人がかかる病気だと言います。朝起きられない、立ちくらみがすることなどから、学校を休みがちになる子どももいます。 松本協立病院小児科 鈴木直美医師 「怠けだとかさぼってるじゃなくて、つらいんだねってところは認めてあげた上で、しっかり検査して身体の状態を調べて病気がわかれば治療もできるからって一回受診していただく」 小児科で行える簡易チェックシート。起立性調節障害と診断された場合は、医師の指示に従って治療します。 鈴木医師は早寝早起きといった規則正しい生活や、適度な運動で筋力の低下を防ぐことも大切だと話します。 「起立性調節障害松本親の会」代表 古畑圭子さん 「しんどかったですね必死で必死だったんですよね。先を行 く お母さんたちの話を聞いて 覚悟をもって 覚悟をもって息 子と接しないとこれはダメだな と思って 逃げてちゃいけない なと思って」 この日、講演会の講師を務めたのは長野市のフリーライター大口知子さん。 古畑さんは、当時、大口さんのコラムを読んで、救われた経験があります。テレビ番組の料理コーナーに出演するなど明るいキャラクターの大口さん。家庭では、次男の起立性調節障害の悩みを抱えていました。 フリーライター 大口知子さん 「いつものように起こしに行ったんですね息子のこと。起こしに行ったら“はっ”て起き上がって“学校行かなきゃ”って言った瞬間に倒れたんです」 次男が起立性調節障害と診断されたのは中学生の時でした。 フリーライター 大口知子さん 「起立性調節障害になったときは出口のないトンネルにいるようでどこまで行ったら出口があるんだろう。親のメンタルに関して言えば自分が心を開ける誰か相談相手 この親の会さんみたいなところに参加して同じ境遇の人たちと話をすることによってヒントも得られたりすると思います」 大口さんの言葉を書き留める参加者たち。体験者の言葉が、救いとなります。 フリーライター 大口知子さん 「怠けてるか判断が難しくないですか 周りから(子どもが)怠けてるんじゃないのって言われたことがあります。ブチ切れました。わかってるから怠けてるわけじゃないってわかってるし これは(子どもを)信じるしかないですよね」 講演会の最後に登場したスーツ姿の男性。病気を経験した次男・郁海さんです。 25歳になった郁海さん、人前で病気のことを話すのは初めてです。経験が役に立つならと自ら申し出ました。 起立性調節障害を経験 大口郁海さん 「そのとき選んだ道というか こうなっちゃったよね 。つらいよねあるかも知れないです。でも今そこ進んできた道を正解にしてください」 郁海さんは、中学2年生の頃から朝起きられない、立ちくらみや微熱、頭痛などの症状に悩まされ学校を休みがちになりました。しかし、高校に入学した頃から症状は改善したと言います。 起立性調節障害を経験 大口郁海さん 「気持ちと身体が一致しないというか追いついていかないみたいなところがあったので何でなんだろうなって 親に迷惑かけてるなって凄くわかって感じていたので何とかしたいなと思いつつ、(母が)根気よく無理やり引っ張るでなく 根気よく向き合い続けてくれたからちゃんと抜け出せたのかなって思います」 フリーライター 大口知子さん 「こんな未来もあるかも知れないってちょっと思って気持ちが楽になる人がひとりでもいたらいいかなって思います」 参加者は 「実体験って大きいですよね(大口さんは)1ケースではあるけど自分のケースとあてはめてみて違う部分もあるけど似た部分もあり やっぱり信じるって部分は一緒だなと思います」 親の会ではこれからも交流の場を県内各地に広げていきたいと考えています。