COP28とは?世界の問題を議論するCOPの注目のテーマや概要を紹介
過去12万5000年の地球の歴史の中で、最も暑かった年になる可能性が残る2023年。そんな年の瀬に、COP28の開催がせまっています。世界の問題を各国が集まって議論するCOPは、今年はいつから開催されて、どんなことが議題にあがる予定なのか。注目のテーマをMedia is Hopeの名取由佳さんが解説します! 【写真】毎年の廃棄食料量は、東京ドーム5個分!? 数字で振り返る「地球の環境問題」 Media is Hope:気候変動の正しい知識と解決策を日本の共通認識にするため、メディアの支援やサポートを行い、気候変動解決に向けてあらゆるステークホルダーが共創関係を築くための架け橋となる団体。 2021年に設立。
COPとは?
COPとは、国際条約を締結した国々が集まって話し合う「締約国会議」のこと。温室効果ガス(GHG)の排出を削減する方法や削減の目標、適応策や資金援助の課題などが議論されます。
COP28の概要
COP28の開催の日にちや場所は、以下の通り。 ・時期 11月30日~12月12日 ・参加国・地域:国連気候変動枠組条約に加盟する約200カ国・地域 ・開催国:アラブ首長国連邦(UAE) 今回、産油国のアラブ首長国連邦が開催するというのも、実は注目の点です。議長のスルタン・アル・ジャベル気候変動特使は石油会社のCEOも務めていることから、さまざまな思惑が行き交うCOPになると言われています。 そしてこれに対して批判的な意見をもつ人も多く、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリは今回のCOPを「完全にバカげている」と批判しているのだとか。
これまでのCOPとCOP28
COPは1995年から、開催地を変えて毎年開催されています。これまでの主だった開催は、以下の通り。 1992年 国連気候変動枠組条約を採択(1994年に発効) 1995年 COP1がドイツのベルリンで開催 1997年 COP3が京都で開催 ・京都議定書を採択(2005年に発効) 2015年 COP21がフランスのパリで開催 ・パリ協定を採択(2016年発効) 2020年 トランプ政権でアメリカがパリ協定から離脱 2021年 COP26がイギリスのグラスゴーで開催 バイデン政権のもと、アメリカがパリ協定に復帰 ・グラスゴー気候合意を採択 2022年 COP27 がエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催 2023年 COP28がアラブ首長国連邦のドバイで開催 COP21で採択されたパリ協定では、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度よりも十分低く保ち、1.5度に抑える努力を追求する」という世界共通の長期目標が掲げられました。これは途上国を含むすべての参加国に、数値目標を定め排出削減の努力を求める枠組みを作った、画期的なもの。 パリ協定より前のCOPでは、温室効果ガスの多くを排出してきた国とそうではない国での削減に対する対立構造が深まるような議論が続いていました。その構造は今も残っているものの、パリ協定によって世界全体で同じ目標に向かうことに合意がなされたのです。