アリババ、物流部門IPO計画を中止-市場低迷で棚上げ
(ブルームバーグ): 中国の電子商取引最大手アリババグループは、物流子会社の菜鳥について新規株式公開(IPO)の計画を取りやめる。10億ドル(約1510億円)を超える規模になるとみられた待望のIPO計画だったが、棚上げされる。
菜鳥の64%を保有するアリババは26日、投資家や従業員が持つ残り全株式を37億5000万ドルで買い取る計画だと当局への提出文書で明らかにした。
事情に詳しい関係者によると、アリババは市場環境が芳しくないことからIPOの延期を決定した。株式相場の低迷で年内にIPOを実施する意欲がそがれたという。ただ、市況が回復すれば計画を復活させる可能性もあると、関係者は話した。
アリババが傘下の主要部門のIPO計画を中止するのはこれが2回目。昨年には110億ドル規模のクラウド事業を分離・上場させる計画を撤回し、市場を驚かせた。アリババの電子商取引で生じる大量の小包の大半を扱う菜鳥は、アリババグループで最も高い成長力を持つ一社だと見なされていた。
かつては中国で圧倒的なインターネット企業だったアリババだが、最近は根本的な問題がつきまとう。PDDホールディングスや字節跳動(バイトダンス)などの競合に押されて市場シェアを失い、昨年10-12月(第3四半期)の売上高は5%増の2603億元(約5兆4600億円)と増収率は過去数年に比べて大きく減速し、予想にも届かなかった。
原題:Alibaba Calls Off Cainiao’s IPO After Market Slump Worsens (1)(抜粋)
--取材協力:Sarah Zheng.
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Pei Li