虎のソナタ 侍JAPANの日本ハム・北山は虎番の「誇りです」 京産大野球部の1学年先輩
朝、デスクの阿部祐亮は阪神・野田駅の改札口でICカードを通した。 残額50円。 これはいかん。野田駅から甲子園駅までは250円。電車が来るまで少し時間がある。今のうちにお金を入れておこう。そう思ってかばんを開けると…長財布がない。4日の当番デスクを終え、自宅に帰ったのが午前2時前。風呂に入って、床について…。一夜明けて、今度は現場で阪神取材。ボーッとパソコンを運んだり準備をしていると肝心の財布を忘れた。 【写真】一緒にラーメンを食べる阪神・才木浩人と大竹耕太郎 駅員さんにワケを話し、いったん改札の外に出させてもらったが、駅から自宅まで往復16分。取りにいったら取材時間に間に合わない。嫁の顔が浮かび、届けてもらうことも考えたが、間違いなく「◎☆▽※!」となるだろう。 かろうじて、小銭入れはあった。100円玉が3枚。10円玉が1枚。1円玉が4枚。クレジットカードも入っていたが、券売機では使えない。意を決してコインを集めて切符購入。所持金64円で甲子園駅に降り立った。 で、気づく。阪神電車の全駅でクレジットカードでのタッチ決済で乗車サービスが始まっていたことを。時代の流れに乗れていなかった。 野茂英雄、イチローらの時代と違い、今は誰でも(と書けば語弊があるかもしれないが)米大リーグに挑戦できる時代になった。阪神・青柳晃洋がポスティングシステムで海を渡ることに-。貧乏デスク阿部は鳴尾浜で取材しながら新人時代のオープン戦初登板を思い出していた。 ボール、ボール、ボール…。甲子園のスコアボードに緑のランプだけがともっていく。2016年3月5日のロッテ戦。2番手で登板したドラフト5位・青柳は〝劇場〟の主役となっていた。 初球から10球連続ボール。青柳がモーションに入るたびにスタンドは静まり、ボールコールに沸く。さすがに新人にこの洗礼はキツイ。2回1安打2失点だったが、正直、プロの世界では厳しい投手だと思った。ところが青柳は制球力はもちろん、フィールディング、クイックなどあらゆる技術を向上させてエースに成長。さすがに恐れ入った。 国際大会「プレミア12」を戦う日本代表に帯同している虎番の中屋友那に電話をかけてみた。宮崎の現場で報道陣はキャッチボールを間近で見ることができるらしい。