ゼレンスキー氏、トランプ氏に安全保障の必要性訴え=関係筋
John Irish Tom Balmforth [パリ/ロンドン 11日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は7日にトランプ次期米大統領と会談した際に、ロシアとの戦争を交渉によって終結させるためにはウクライナの安全保障が必要だと説明した。関係筋が明らかにした。 ゼレンスキー氏はパリで、マクロン仏大統領を交えてトランプ氏と会談した。ロイターは会談について説明を受けた関係者5人に取材した。 3人の首脳は顧問を交えずに35分間協議した。関係者4人によると、トランプ氏は戦争を早く終わらせるために即時停戦と交渉を望んでいると繰り返し表明した。 和平に向けた具体的なビジョンについては協議されなかったものの、紛争終結に向けた交渉がどのように展開する可能性があるかについて、いくつかの初期段階における手がかりが示された。しかし、ロシアのプーチン大統領が関与する交渉プロセスは困難を伴うと予想され、米国が果たす役割も明確になっていない。 関係者の一人は、トランプ氏が友好的で礼儀正しく、オープンな態度で耳を傾けている様子だったと振り返った。 ウクライナ大統領府筋は「会談ではいくつかの重要な点が言及された。停戦だけでは不十分で、適切な保証がなければプーチンは再び停戦合意を破る可能性があるため、和平には保証が必要だという発言があった」と明らかにした。 トランプ氏がこの発言をどう受け止めたかについては、「(同氏は)あらゆる詳細について検討している」と語った。 <トランプ氏への圧力避ける> ある当局者は、マクロン、ゼレンスキー両氏が協力して状況を説明し、米国の支援がなければウクライナにとって非常に困難になることを強調したと明らかにした。 「トランプ氏を追い込むことなく説明することが重要だった」と述べ、両氏はトランプ氏に圧力をかけているように見えないよう配慮していたと指摘した。 2人の関係者によると、マクロン氏は欧州諸国がウクライナ支援にすでに多大な貢献をしていると強調し、安全保障上の負担を米国とより平等に分担する用意があると訴えた。 別の関係者によると、マクロン、ゼレンスキー両氏はプーチン氏について、トランプ氏が1期目の任期中に対処した2017年当時とは異なる人物になっていると述べた。 またシリアのアサド政権の急速な崩壊とシリアの後ろ盾だったロシアに対する打撃に言及し、今後のウクライナ和平への取り組みでロシアに対してより強硬な姿勢を取るべきと主張した。