小米、テスラ風のSUVの開発推進へ-25年にも量産開始と関係者
(ブルームバーグ): 中国のスマートフォンメーカー、小米(シャオミ)は、早ければ2025年に米電気自動車(EV)メーカー、テスラの「モデルY」に似たスポーツタイプ多目的車(SUV)の生産・販売を開始することを目指している。小米初のEV「SU7」の生産が年内に10万台程に達する方向となる中、新たな事業拡大に乗り出す。
小米の当初の生産能力はフル稼働状態に近づきつつあり、需要に対応するため増産に取り組んでいると、事情に詳しい複数の関係者が語った。同社はSUV開発に当たり、テスラの製品をベンチマークとしているという。プロジェクトは非公開だとして関係者が匿名を条件に明らかにした。
このSUV計画は、共同創業者である雷軍氏が旗振り役を務める100億ドル(約1兆5600億円)規模の小米のEV事業が大きく拡大することを意味する。同社は、米アップルが世界的に君臨する変動の激しいスマートフォン市場への依存を減らそうと努力しているが、EV事業でも群雄割拠の分野に参入し、テスラや中国の比亜迪(BYD)に挑もうとしている。
SUVタイプの車両は中国全土で人気を集めているが、小米がどのような仕様、価格を想定しているかは不明。同社の生産計画は生産能力の動向次第で変更される可能性があると関係者は語る。同計画については地元メディア、一財が最初に報じていた。小米の担当者はコメントを求める電子メールや電話に返答しなかった。
小米でSUVについての議論は21年から始まっていたと関係者の1人は語る。ただ同社は最終的に、テスラの「モデル3」とポルシェの「タイカン」に似たデザイン美を持つ3万ドル以上のセダン、SU7を優先することを決めた。
SUVの量産を開始するのは、北京にある組立工場の第2期工事が完了してからとなり、早くても25年後半の見込みだと、関係者の1人は語った。
売上高の60%以上をスマホが占める小米は、中国市場での需要が低迷していることもあり、事業の多角化を図っている。