北条氏ゆかりの小田原城がリニューアル 地元木材で江戸時代の空間再現
小田原城の天守閣が5月1日、昨年7月から行われていた耐震工事を終え、展示も一新してリニューアルオープンした。開城初日の入場料は、地震で大きな被害を受けた熊本城の復興のために全額寄付されることが決まっている。
小田原城は1960年に再建されたもので、これまでほとんど改修されていなかった。今回のリニューアルの目玉は、地元職人が小田原の森から切り出した木材を使って再現した江戸時代の「摩利支天像」の安置空間だ。最新の研究で当時は最上階に祀られていたことが判明し、以前は展示ケースに納められていた像を改めて安置した。イノシシの上に載った三面六臂(3つの顔と6本の腕)の立像で、元禄地震で焼失をまぬがれたことから「御天守摩利支天」として尊崇されていた。
また、常設展示は北条五代を中心に刷新。小田原合戦の経緯を伝える映像には、秦野市在住の苅谷俊介さんと小田原ふるさと大使の合田雅吏さんの時代劇でも活躍する俳優2人が出演し、迫真の演技を見せている。
1日~8日までは、通常17時までの開館時間を3時間延長して9時~20時(最終入場19時30分、1日は9時30分から)まで開館。小田原城の東西2面に100万の絵柄を連続投影する「デジタル掛け軸」も5日まで実施する。投影は日没から22時まで。 (齊藤真菜)