農林中金、資本増強1.2兆円に変更なし-日本国債への投資も検討
(ブルームバーグ): 農林中央金庫は20日、1兆2000億円規模を計画している資本増強について、金額に変更はないとの認識を示した。外国債券の売却によって今期(2025年3月期)の最終赤字が1兆5000億円と当初見込みの3倍に拡大する見通しとなったが、計画している資本調達の総額には影響しない。
ブルームバーグの取材に対して、農林中金・広報担当者が電子メールで回答した。「資本再構築についてはポートフォリオ改善に向けた投資余力の確保が目的であり、赤字見合いではない」と説明。「金額については変わらない」として、農業協同組合(JA)など出資者と協議を進めているという。
農林中金は5月22日の会見で、今期に運用収益が悪化した外債の売却に踏み切り、純損益が5000億円超の赤字に陥るとの見通しを明らかにした。同時に1兆2000億円規模の資本増強を実施する方針も表明。その後、10兆円規模の外債売却によって、最終赤字は1兆5000億円に拡大する見通しであることが今月18日に明らかになった。
また、同広報担当者は「円金利の上昇は国内での新規の投融資機会の増加につながる」として、「ポートフォリオ改善にあたり、日本国債への投資を増やすことも選択肢としてはある」と述べた。
農林中金は、外債売却後に国内外の株式やプロジェクトファイナンスなど幅広い資産への投資を検討しており、外債に偏ったポートフォリオを再構成する方針。
原題:Norinchukin Says No Extra Funding Needed, Mulls JGB Investment(抜粋)
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