カナダ、北極圏で米との協力強化 ロシアの脅威など受け新戦略
[オタワ 6日 ロイター] - カナダ政府は6日、台頭するロシアの脅威などを踏まえ、地域の安全確保に向け北極圏における米国との協力を強化する新戦略を発表した。 その一環として、北極圏大使を任命するとともに、米アラスカ州アンカレッジとグリーンランドのヌークに領事館を新設するという。 カナダの北極圏の面積は440万平方キロを超えるが、少数のコミュニティーと港湾を除くとほぼ無人地帯で、十分な調査が完了している海域は16%を下回っている。 カナダは新戦略の背景として、激化するロシアとの領有権争い、中国の北極圏への関心、航路を開く可能性のある地球温暖化の影響に言及。「北米の北極圏はもはや緊張と無縁ではない。祖国の安全維持のため、最も近い同盟国である米国との協力をさらに強化しなければならない」とし、エネルギーの安全保障、サプライチェーン(供給網)、気候変動、重要鉱物などの分野で米国との新たな協力の道を模索すると説明した。 トランプ次期米大統領は先週、カナダのトルドー首相と会談し、北極圏などについて話し合ったと明らかにしている。