ビートルズから新しい学校のリーダーズまで! 開館60周年!「ライブハウス武道館」へようこそ!
■今なお神聖視される特別なステージ 今では首都圏にアリーナ会場も増え、武道館にはかつてのような「到達点」としての意味合いは薄れている。それでも、21年にコロナ禍を経て初の有観客ライブを行なったYOASOBIなど、ここ最近でも象徴的なライブは多い。 今年には新しい学校のリーダーズがブレイクと海外進出を経ての初武道館公演を開催。そのライブでもそうだったのだが、アリーナ中央にセンターステージを組み、360度ぐるりとお客さんに囲まれる形でのパフォーマンスを行なうことができるのも武道館の特色だ。 そうでない通常のステージセットでも客席との距離は近く、ホールとしての使い勝手もいい。かつては「音が悪い」と言われたこともあったが、00年代に高い指向性で遠くまで音を届けることができるラインアレイスピーカーが普及してからは、音響面も大きく改善した。 今年で60周年。武道館はこの先も「ライブの聖地」としてたくさんの特別な瞬間を生んでいくはずだ。 ●柴 那典(しば・とものり) 1976年生まれ、神奈川県出身。音楽やサブカルチャーを中心に幅広く執筆を手がける。単著に『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)、『平成のヒット曲』(新潮新書)など 取材・文/音楽ジャーナリスト 柴 那典