阪神・佐藤輝 打って走って汚名返上 三塁を陥れる好走塁に岡田監督「あの走塁もな」自ら話題を変えて絶賛
「ヤクルト3-6阪神」(8日、神宮球場) 打って、走って、神宮の虎党を沸かせた。阪神・佐藤輝が涙の雨から一夜明けて、スカッとした快勝に貢献。前夜の2失策の汚名を返上し、2試合ぶりに快音を響かせた。「一本出て良かったです」。胸を張ってクラブハウスへの帰路に就き、拍手喝采を浴びた。 1点リードの五回。森下が目の前で2点適時打を放ち、なおも1死一、二塁で打席に立った。2球で追い込まれながら、吉村のフォークを中前適時打。「低めのフォークをうまく拾うことができました」。7日には14試合連続安打でストップ。2日続けて無安打で終わらなかったことにも価値がある。 四回には抜群の野球勘でどよめかせた。無死から四球で出塁すると、続く大山はフルカウントから三ゴロ。スタートを切っていた佐藤輝は迷うことなく三塁を陥れた。「いけると思ったんでいきました」。三塁の村上がベースから少し離れていたこともあって、隙を突く形。前川の決勝適時打を呼び込んだ。 このプレーには、岡田監督も森下の話題を変えてまで「あの走塁もな(大きかった)」と絶賛。「その意識や。意識の問題や」と集中力を評価した。三塁ランナーコーチとして、一番近くで見ていた藤本内野守備走塁コーチも「めっちゃでかい。次を狙う感性はすごいと思う」と驚いたようにたたえた。 2軍降格中には守備だけでなく、走塁の意識向上も課されていた。和田2軍監督は「守備も走塁もしっかりやりきること」とテーマ設定。佐藤輝は「サードに飛んだ時にちょっと頭にあったんで」と振り返ったように、常に前の塁を狙う姿勢を持っていた。 チームとしても連敗を止めて、ホームに帰ることができる。「また戻って、いい試合をしたいと思います」。8月の絶好調は持続。甲子園から横浜、神宮と続いた屋外球場での真夏の連戦も小休止だ。涼しい京セラでも暴れ回る。 ◆今季7度目!ドラ1クリーンアップ打点そろい踏み!! 森下、佐藤輝、大山のドラ1クリーンアップがそろって打点を挙げた試合は今季7試合目でいずれも勝利。佐藤輝と大山の打点そろい踏みは今季9試合目で、こちらも全勝している。